昭和55年
年次世界経済報告
石油危機への対応と1980年代の課題
目次
昭和55年度年次世界経済報告の公表にあたって
序章 世界経済の潮流変化
第1章 1980年の世界経済
第1節 石油価格の再高騰
1. 第2次石油危機の発生
2. 需給の緩和
3. 中長期における石油供給の不確実性
第2節 再び悪化したインフレ
1. 大きかつた外的要因
2. 高騰後もみ合っている一次産品
3. インフレ不安を反映した金価格の急騰
4. 素早く強化されたインフレ対策
5. おおむね山を越えたインフレ
第3節 停帯する先進国経済
1. 急降下後持ち直したアメリカ景気
2. 後退局面に入った西ヨーロッパ経済
第4節 鈍化する世界貿易
1. 拡大を続けた79年の世界貿易
2. 鈍化する80年の世界貿易
3. 石油危機と世界貿易
第5節 国際収支と為替相場の動向
1. 石油黒字,石油赤字の再出現
2. 米,日,独の経常収支の大幅変化
3. これまでのところ順調な赤字ファイナンス
4. おおむね安定的に推移した為替市場
第6節 産油・非産油と明暗を分ける発展途上国経済
1. 三重苦に悩む非産油発展途上国経済
2. 再び石油収入に潤うOPEC経済
第7節 困難な調整段階にある共産圏経済
1. 調整政策を進める中国経済
2. 厳しさ増すソ連・東欧経済
第2章 石油危機と経済変動
第1節 石油ショックの意味するもの
1. インフレ効果とデフレ効果
2. 同規模になった2回の石油ショック
第2節 前回と今回の石油消費国の反応の比較
1. インフレ効果に対する各国の反応度
2. デフレ効果に対する各国の反応度
第3節 良好な反応を生み出した要因
1. 明暗を分けた初期条件の差
2. カギをにぎる実質賃金の動向
3. 為替レートの安定と経常収支赤字
4. インフレ抑制型の経済政策
第4節 消費・投資行動の変化
1. 経済主体の部門別貯蓄・投資バランスの変化
2. 消費者行動はどう変ったか
3. 企業家行動はどう変ったか
第5節 教訓と課題
第3章 オイル・マネーの再出現と国際通貨問題の新展開
第1節 オイル・マネーの再出現
1. オイル・マネーの再出現
2. 前回オイル・マネーが危機をもたらさなかった理由
3. 今回は前回とどう違うか
第2節 国際通貨安定化への努力
1. アメリカのドル防衛努力
2. 欧州通貨制度の発足
3. IMFによる監視への協力
4. SDRの役割の強化
第3節 非産油発展途上国の赤字ファイナンスと累積債務問題
1. 石油危機と経済開発
2. 第2次石油危機と非産油発展途上国
3. 経常収支赤字ファイナンスと累積債務
4. 非産油発展途上国をめぐる情勢の困難化
5. 対応策の方向
第4章 供給管理政策の登場とその課題
第1節 先進国経済の構造変化と供給管理政策の登場
1. 70年代の後遺症
2. その原因
3. 供給管理政策の登場
第2節 主要国における供給管理政策の展開
1. アメリカ
2. イギリス
3. 西ドイツ
第3節 積極的調整政策と新たな国際分業の方向
1. 貿易摩擦の増大と保護主義の強まり
2. 積極的調整政策と新しい国際分業の方向
第4節 脱石油政策の推進
1. 石油多消費型の経済成長
2. 第1次石油危機と石油消費節減の遅れ
3. エネルギー政策の推進
4. 脱石油社会へ向けて
むすび
1. 世界経済の現局面
2. 80年代の世界経済
3. 世界経済の課題
4. わが国の責務
参考資料