昭和55年

年次世界経済報告

石油危機への対応と1980年代の課題

昭和55年12月9日

経済企画庁


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第3章 オイル・マネーの再出現と国際通貨問題の新展開

1970年代国際通貨情勢は変動期に入った。71年のニクソン・ショックを経て,73年初以降主要国通貨が変動相場制に入った直後,今度は石油ショックによって世界の国際収支構造は大きな変化を強いられた。国際金融市場は第1次石油危機は何とか乗り切ったものの,79年以降世界経済は再び石油危機に見舞われ,オイル・マネーの還流問題,準備資産多様化の動き,それらの中で為替相場安定の必要性等,国際通貨情勢は新しい緊張にさらされている。とくに,非産油途上国の赤字ファイナンスと累積債務問題は国際通貨の安定に関わるだけでなく,これら途上国の80年代の開発のゆくえを左右する重要な問題である。本章では,オイル・マネーの再出現によって深刻化された国際通貨上のこれらの諸問題を検討する。


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