昭和55年
年次世界経済報告
石油危機への対応と1980年代の課題
昭和55年12月9日
経済企画庁
第2章 石油危機と経済変動
1970年代の世界経済は2回にわたって石油危機に襲われた。それは60年代後半より徐々に進行して来た先進国のスタグフレーション(インフレと失業の共存)を一層深める作用を示した。
こうした石油危機がこれからも世界経済を襲ってくるとすれば,世界経済はその度に一層深くスタグフレーションの沼にはまり込んでいかなければならないのだろうか。何とかして石油危機の発生を防止することはできないか。少くとも発生した石油危機に対して,その影響を最小限に食いとめることはできないか。
第1次石油危機と第2次石油危機に対する世界経済の対応ぶりにはいくつかの変化が認められる。それを分析することによって石油危機克服のための方策を探ってみよう。