第1節 物価が上昇に転じなかった背景

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物価は長期間にわたり持続的に下落するという意味でのデフレではなくなったが、その改善ペースは緩やかであり、上昇圧力に高まりはみられない。本節では、これまで物価が上昇に転じなかった背景について検討する。

1 身近な財・サービスの価格上昇と消費者物価指数

(消費者物価指数の特徴)

まず、身近な財・サービスの物価動向について考えてみよう。総務省の「消費者物価指数」は、全国の世帯が購入する財及びサービスの価格について総合し物価の変動を時系列で測定している。例えば、1997年は4月の消費税率引上げの影響等により1.8%の上昇、1998年は天候不順により生鮮野菜の高騰等により0.6%の上昇などと、消費者の生活に身近な物価を捉えている。2006年は、「耐久消費財や移動電話通信料などが値下がりしたものの、2005年に引き続き石油製品が値上がりしたことに加え、天候不順による生鮮野菜の値上がり、外国パック旅行などの教養娯楽サービスの値上がり、たばこ税引上げの影響などにより、0.3%の上昇」となった1

消費者物価指数の動きの特徴として、差し当たり以下の点が指摘できる。

(1) 生鮮食品の価格は天候要因で大きく変動すること、

(2) 石油製品は原油価格の変動の影響を大きく受けること、

(3) 家電製品を含む耐久消費財は、価格の大幅な下落が続いていること、

である。(1)と(2)については、消費者の実感と近いものだろう。実際、後でみるように、食料品やガソリン価格が高騰した場合には、アンケート結果などにしっかりと表れてくる。

逆に、(3)については、消費者の実感とは合わないかもしれない。消費者物価指数の作成にあたっては、実際の価格の変動のほか、品質向上分を価格の変化に換算することから、品質向上が著しい品目が多く含まれている耐久消費財の価格は、大幅な下落が続いている2第3-1-1図)。

(消費者が実感する物価の変化)

次に、消費者が実感する身近な財やサービスの価格の上昇について、日本銀行が実施している「生活意識に関するアンケート調査」でみてみよう。「1年前に比べ現在の物価は何%程度変化したと思うか」との質問に対する回答が、2006年3月まで中央値でゼロ%となっている(第3-1-2図)。実際の消費者物価指数もゼロ%程度で推移しており、消費者の実感とほぼ一致している。このころには、消費者にも、低インフレ率への期待が定着していたものと考えられる。

その後、2006年6月3、9月には「消費者の実感」が実際の消費者物価指数の動きを上回って上昇しており、また、2007年6月、9月にも物価指数の動きを上回っている。

消費者の実感と実際の消費者物価指数の動きのかい離はなぜ生じたのだろうか。消費者物価指数を財・サービス価格別の寄与度分解(前掲第3-1-1図)と比較してみると、2006年の6月、9月の消費者の物価上昇感が高まったのは、財価格の石油製品(ガソリン、灯油等)や生鮮食品の値上りに対応している。その後、それらの上昇率が低下すると、アンケート調査の結果も低下している(第3-1-3図)。

アンケート結果の方が実際の上昇率よりも高く出ているのは、値上り品が石油製品や生鮮食品などの頻繁に購入する品目であったり、生活必需品であったりしたため、実感が指数より高めに出たと考えられる。実際、消費者物価指数を年間購入頻度別に構成しなおしてみると、購入頻度が年間0.5回未満の品目はマイナスが続いているが、年間9回以上購入する品目の物価上昇率はプラスとなっており、また、生活必需品などの基礎的支出と、それ以外の選択的支出の消費者物価に分けると、選択的支出に比べ基礎的支出の物価の方が高めの上昇率となっている(第3-1-4図)。

逆に、消費者物価指数に採用されている品目でも、数年に1度しか購入しないものの価格変動にはそれほど気に留めないかもしれない。先に述べた耐久消費財などがその例である。また、移動電話通信料については、実際に料金(物価)が大幅に下がっている一方で、支出額(名目)も急増しているため、消費者の実感として物価の下落とは結びつきにくい可能性がある(第3-1-5図)。

(消費者がこのところ値上りを実感する背景)

アンケート調査結果では、2007年の6月、9月にも消費者の実感が上昇している。2007年9月調査では、「1年前と比べ物価が上昇した」と感じている人は6割を超えており、そのうち「かなり上がっている」とする人も3月調査の3.4%から8.6%に増加している。実際の消費者物価には動きがみられないため、原油価格の高騰や、最近の食品や日用品等の値上げ報道などが、消費者の物価上昇感を高めている背景にあるのではないかと考えられる(第3-1-6図)。

こうした値上げの理由としては、食品関係では小麦など輸入原料価格の上昇を挙げているものが多く、また、その他の分野でも原油価格の高騰がコスト増になっていることがうかがえる。これらは、卸売段階の値上げであるため、直ちには小売段階に影響が出ていないものも多く、今のところ消費者物価指数全体に与える影響はみられない。

今後、徐々に小売段階に影響が及んでくるだろうが、こうした値上げが消費者にどのように受け止められるかを見極めた上で価格設定の変更を行う企業もあると考えられる。アンケート結果によれば、消費者も先行きの物価上昇を見込む回答が増加している(第3-1-7図)。今後の動向には注視が必要である。

2 一部にとどまった原油・原材料価格上昇の最終財への転嫁

原油価格や輸入原材料が高騰しており、企業はコスト増に直面している。企業間取引の段階では、コスト高を販売価格へ転嫁する動きがみられる。一方、最終消費段階の財にまでは転嫁はされてこなかった。

(企業間取引におけるコスト増の転嫁)

企業物価指数をみると、素原材料、中間財は中期的に大幅な上昇傾向にある一方、最終財では上昇がみられない。原油高等のコスト増は、川上、川中の生産財(素原材料+中間財)の価格にまでは転嫁されているが、川下の最終財にまでは転嫁が進んでいない(第3-1-8図4。最終財は、品質向上が著しく下落基調にある電気機器のウェイトが大きい面もあるが、それらを考慮しても生産財と最終財の間の物価上昇率の差は大きい。

企業間の取引段階でどのように転嫁されているかについて、製造業部門投入物価・産出物価指数5でみてみよう。製造業全体では、投入物価が大幅に上昇する中、産出物価についても上昇しており、ある程度の転嫁は行われている様子がうかがえる。例えば、鉄鋼や非鉄金属などでは、かなり転嫁ができている。一方、電気機械については、投入価格が上昇する一方、産出価格は下落している(ただし図の目盛り幅が業種により異なることに注意)。

第3-1-9図

(消費者物価指数でみた最終消費段階への価格転嫁)

消費者物価指数でみると、ガソリン、灯油等の石油製品価格は、原油価格の動向に沿って変動している(前掲第3-1-3図)。このところ消費者に身近な品目で物価上昇がみられるが、これらの品目のウェイトを合計しても消費者物価全体の中ではそれほど大きくないため、消費者物価指数の変化に与える影響は限定的なものにとどまっている。

3 価格転嫁の困難さはGDPデフレーターの動きに反映

原油価格や素原材料価格が高騰する中、企業取引段階では転嫁がある程度進んでいる一方で最終消費段階への転嫁が進まないことは、国内で生み出す名目付加価値の縮小につながっている。

(輸入価格の上昇は国内で生み出す利潤や賃金を圧迫)

GDPデフレーターの変化率を、GDPの各需要項目のデフレーターごとに寄与度分解してみると、輸入デフレーターが2004年第2四半期以降大きなマイナス寄与となっている。また、民間最終消費支出デフレーターが弱いことから、国内需要デフレーターが弱い動きとなっており、GDPデフレーターにプラスに寄与しているのは、主に輸出デフレーターであるという姿になっている(第3-1-10図)。これは原油価格や素原材料価格の上昇による輸入価格の上昇分を最終需要段階の財やサービスに転嫁できず、マクロ経済全体でみれば、名目付加価値(利潤や賃金)がその分だけ減少していることを示している。

原油価格上昇等による所得移転が国内でどのように負担されたかを調べるには、物価の上昇を考慮した実質ベースでみることが必要である。ここでは、最終需要(内需+輸出)のデフレーター(=1単位当たりの価格)における賃金、利潤等の構成比(シェア)が、概念上、実質賃金、実質利潤等に当たることに着目し、その変化をみよう(第3-1-11図)。二度の石油危機と2004年度から2006年度の原油価格の高騰時を比べると、第一次石油危機時は賃金が大幅に上昇したことから家計の負担は生じず、企業部門が実質的に負担する姿となった。しかし、賃金上昇はホームメードインフレを引き起こしマクロ経済にマイナスの影響を及ぼした。第二次石油危機時には、物価上昇の面からは、マクロ経済への影響は比較的小さかったが、企業は利潤を確保する中、賃金の伸びが低かったことから家計の実質的な負担が大きくなった。2004年度から2006年度については、デフレ下で物価が上がらない中で、賃金も利潤も低下しており、家計と企業がともに負担を分かち合う姿となっている。

(民間最終消費支出デフレーターの動き)

民間最終消費支出デフレーターは、国内の需給環境を反映し、前年比マイナスを続けており、輸入価格の上昇分が転嫁されていない。個人消費の需給を日銀短観の国内での製商品・サービス需給の小売業DIでみると、2003年頃まではGDPギャップと概ね一致した動きをしていたが、その後GDPギャップが改善方向にある中、小売業の需給は横ばいで推移している。民間最終消費支出デフレーターの前年比は、財・サービスの需給状況からやや遅れて同じ動きをしているが、足下ではマイナスの領域で横ばいとなっている(第3-1-12図)。

なお、民間最終消費支出デフレーターが弱いことは、必ずしも最終財段階の需給環境の弱さから来るものだけではないという面もある。「平成19年度年次経済財政報告」では、グローバルな競争の中で財の価格は各国で低下または低迷しているが、他方、非貿易財であるサービスの価格はアメリカ、EUでは上昇しているものの日本では上昇していないとの指摘がなされている。日銀短観で小売業の販売価格DIと仕入価格DIの動きをみると、1990年頃までは両者にほとんどかい乖離はなかったが、競争が激化した90年代半ば頃から、販売価格DIが仕入価格DIを下回る状況が続いている。同様に、サービス業の販売DIと仕入価格DIの動きをみても、90年代以降、販売価格DIが仕入価格DIを下回る状況が続いており、そのかい離幅は拡大傾向にある(第3-1-13図)。こうした財、サービスの両方について価格上昇が抑制されてきた背後には、流通業による中間投入コスト、賃金コストなどの不断の削減努力があるとの指摘もある6

4 需給の逼迫は限界的な部分にとどまる労働市場

物価が上昇に転じないことや、個人消費が弱いことの背景として、賃金が伸び悩んでいることが挙げられる。第1章で分析した雇用情勢の改善の動向を踏まえつつ、ここで現在の「労働市場の引締まり」がどのように評価できるかを考える。

(企業の人手不足感の背景にミスマッチ)

現時点での企業の労働需要は、大企業を中心に依然強いとみられる。日銀短観の雇用人員判断DIをみると、製造業、非製造業とも不足超幅を拡大してきている(第3-1-14図)。また、90年代以降、企業は過剰雇用の是正に努め、新規採用を厳しく抑制してきたが、現在、大学や高校の新規学卒者採用数については高水準となっていることは、第1章でみたとおりである。

こうした状況の背景として、労働市場におけるミスマッチが大きく、企業が求めるような人材を確保できていないことが挙げられる。厚生労働省「職業安定業務統計」によれば、雇用不足感の高い専門・技術や販売、サービスにおいて、就職に結びついていない求人の割合が高く、雇用不足感の低い管理や事務において、就職に結びついていない求職割合が高い(第3-1-15図)。

ただし、ミスマッチは縮小していく可能性もある。一般に、失業率は、労働需要の変化による影響だけでなく、求職者を求人先に結びつけるという労働市場の効率性等の影響も受けると考えられる。労働市場の需給をみるため、失業率と欠員率の関係(UV曲線)を図にプロットしてみると、2002年以降、労働需給が引き締まる方向に推移してきたが、2007年からはミスマッチを縮小する方向で推移しており、こうした動きが続けば企業の雇用不足感は緩和されていく可能性がある(第3-1-16図)。

(潜在的な労働供給力は高い)

労働需要が比較的強い一方で、潜在的には労働供給力も高いと考えられる。供給力として一つには若年者(15~24歳)の失業率が8%程度(2007年10月 7.8%)と高水準であることが挙げられるが、その他、非労働力としてカウントされる現在就職活動を行っていない人の中にも就業希望者は多いと考えられる。傾向的に労働力率が低下しているが、短期的には労働力率は生産にやや遅れて変動することから、こうした就業希望者が徐々に労働力として加わってくることが期待される。特に、20歳代後半から30歳代で家事・育児のために就業をあきらめているケースも少なくないが、条件さえ整えば家事・育児と両立させて、仕事を続けることが可能であろう。求職活動を行っていない就業希望者がすべて労働力化する場合には、労働力率を男性において約2%ポイント、女性において約6%ポイント程度押し上げる可能性がある(第3-1-17図)。

(「団塊世代の退職による賃金押下げ」効果の裏側)

財務省「法人企業統計季報」によれば、2004年頃から企業の人件費が前年を上回って推移しており、労働分配率の低下幅は縮小している。これには、前年比での従業員数の増加が寄与しており、企業の労働需要の高まりと整合的である。一方、従業員一人当たりの給与は足下若干マイナスに寄与しており、企業の人件費抑制姿勢は引き続き強いことがうかがえる(第3-1-18図)。

結局のところ、賃金(料金)が上昇するほど逼迫しているのは、新規学卒者の採用と労働者派遣が中心である。第1章で指摘したように、新規学卒者は全体の数が少ないこともあって特に需要超過となりやすいと同時に、マクロ的には雇用者所得の増加につながりにくい。また派遣労働者は、労働者の側に正規雇用指向が高まる中で、需要に供給が追いつかない状況となっている。

仮に労働市場が全般的に逼迫しているのであれば、団塊の世代を再雇用する際の賃金が高騰してもよいはずである。また、自発的な転職を予防するため、すべての年齢にわたって賃金カーブを引き上げることも考えられる。こうしたことが生じておらず、企業の人件費抑制姿勢が引き続き強いことは、労働市場の引締まりが限界的な部分にとどまっている証左といえよう。

(緩慢な需給ギャップの改善が物価上昇を遅延)

これまでの失業率と賃金、各種物価動向の関係についてみると、ばらつきはあるものの比較的安定している。こうした関係は十分幅を持ってみるべきだが、失業率はまだ低下の余地があり、労働市場の引締まりが限界的な部分にとどまることを踏まえると、賃金の上昇が遅れていることは不自然ではない7。逆にいえば、労働市場で需給が全体的に逼迫していけば、賃金にも徐々に上昇圧力が高まっていくものと考えられる8第3-1-19図)。

なお、個人消費の弱さの背景には、賃金の伸び悩みがあることから、賃金が上昇していくことによって、個人消費も緩やかに回復していくことが期待される。

マクロの需給ギャップと物価の関係については、需給ギャップの水準が一般物価の上昇率に対して影響を持つと考えられる。内閣府試算のGDPギャップとGDPデフレーターの変化率との関係をみると、これまでのところ、GDPギャップが緩やかに改善してきた中、GDPデフレーターの前年比は、やや遅れてほぼ同様の動きをしている9

足下ではGDPギャップ、GDPデフレーターともに改善に足踏みがみられるが、GDPギャップが2006年第4四半期からプラスの領域に入っているため、今後、改善が続いていけばGDPデフレーターの前年同期比もやがてはプラスに転ずることが期待される。ただし、推計されたGDPギャップがどの水準にあるのかは推計方法によって異なり、符号がプラスかマイナスかも含め幅をもってみる必要がある(第3-1-20図)。

コラム 3-1 ニューケインジアン・フィリップス曲線を巡る議論

一般物価の決定に関する問題は経済学において伝統的に注目されてきた分野だが、その中で近年さかんに研究が行なわれているモデルとして、ニューケインジアン・フィリップス曲線(NKPC)がある。このNKPCは、企業が毎期一定の確率でしか価格変更を行えない等といった価格の粘着性に関する仮定の下、各経済主体の最適化行動と整合的に定式化されている点で、従来経験則として知られてきた伝統的なフィリップス曲線と異なっている10。具体的には、次のように表現される11

今期のインフレ率 = 係数×来期の期待インフレ率+係数×実質限界費用

ただし、NKPCには(1)物価の水準のみならずその変化率であるインフレ率も粘着的に推移している点を反映できないこと、(2)インフレと失業の間に広く実感されているトレードオフの関係が成立しないこと、等の課題が存在する。このうち(1)への対応を図ったモデルとして、上述の式に「前期のインフレ率」を加えてインフレ率に粘着性を持たせたハイブリッドNKPCがある12。このモデルは現実のインフレ動学を比較的良好に再現することが知られており、金融政策分析等をはじめとして一般的によく用いられている。日本のデータでこのハイブリッドNKPCを推計してみると、下記の通りである13。ただし、括弧内は標準誤差。

 今期のインフレ率 = 0.720×来期の期待インフレ率+ 0.218×前期のインフレ率
  (0.069) (0.068)
  +0.015×実質限界費用  
  (0.004)  

コラム図3-1

しかし、純粋なNKPCでは最適化行動による裏づけがあったのに対し、ハイブリッドNKPCでは「前期のインフレ率」の導入に理論的な厳密さを欠くため整合性が失われているとの批判がある。また、実証結果の頑健性にも問題が指摘されている14。こうしたことから、現在さらに研究が進められているところであるが、ひとつの有力な方向性として、財価格だけでなく実質賃金の決定にも粘着性を導入することが考えられている。ここでは、例としてBlanchard and Galí (2007)によるモデルを紹介する。このモデルは、(1)の最終的な解決とは言えないものの(2)については伝統的なフィリップス曲線と類似する興味深い結果を導いている。日本のデータで推計を試みると、下記の通りの結果となった15

 今期のインフレ率 = 0.003+0.583× 来期の期待インフレ率+ 0.321×前期のインフレ率
  (0.002) (0.111) (0.061)
0.097×失業率+0.027×素原材料の実質価格変化率
(0.051) (0.016)  

現在の日本では、切片がほぼゼロ、失業率が4.0%程度であり、素原材料の実質価格の上昇率が足下でも10%未満であることを考慮すると、右辺の第2項・第3項以外の合計はマイナスとなる可能性が高い。上記の定式化は数多くあるNKPCに対する修正の候補の一つに過ぎないが、こうした結果は、価格とともに実質賃金が必ずしも伸縮的に決定されていないことが物価上昇のテンポが速まらない背景にある可能性を示唆している。

なお、上述の他にも、NKPCとは本質的に異なる物価決定モデルの構築を含め、種々の方向性が試みられているところである。

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