前章では、為替レート、株価や原油価格の変動など様々なリスクが生じている現状に鑑み、企業や家計の基礎体力を点検し、リスクへの備えがどの程度できているかを分析した。その結果、全体としてみればリスク対応力が高まっているものの、個別的には脆弱な部分を抱えていることが確認された。ここでは、再び景気の基調に視点を戻し、物価とマクロ的な需給の状況、景気循環メカニズムの点検を行い、前章までの分析も踏まえて景気回復持続に向けた展望を探ることとする。