第1節 物価が上昇に転じなかった背景(5)
(5) 製造業部門別投入・産出物価指数は、製造業の生産活動に焦点をあて、(1)生産のために投入される財の価格を集約した「投入物価指数」、(2)生産される財の価格を集約した「産出物価指数」、及び(3)産出物価指数を投入物価指数で除した「交易条件指数」の3つの系列で構成されている。このうち交易条件指数は、製造業総合部門及び14の大部門について作成されており、その動きから当該部門の短期的な採算の変化に関する情報を得ることができる。例えば、ある部門において、投入物価指数が100から105に上昇する一方、産出物価指数が105で横ばいであった場合、交易条件指数は105から100に低下する。これを「交易条件が悪化した(上昇の場合は改善)という。