第7節 景気調整下の経済政策
景気調整下における経済政策の動向を,財政政策,金融政策,そして構造調整政策の順にみる。
1. 財政政策の動向
(税収の動向と91年度補正予算)
今回の景気拡大初期においては,株式や土地等の資産取引が増大し,資産価格が上昇したため,金融保険業,不動産業をはじめ各業種の利益の増加を反映して法人税が大きく増加したほか,譲渡に係る申告所得税,相続税,有価証券取引税,印紙収入の増加が著しかった。その後,個人所得の堅調な伸びや金利上昇を反映して,源泉所得税の伸びが高まった。こうして,86年度から90年度まで税収は名目成長率以上の伸びを示し,決算額が当初見込み額を上回って推移してきた。しかし,89年度には,有価証券取引税が減少に転じ,景気の緩やかな減速に伴い90年度には法人税も減少した。景気が調整局面に入った91年度は,法人利益の一層の悪化,株式取引の低迷等から,税収は低調に推移し,税収決算額(概数)は前年度比0.5%減となった。
91年度補正予算は91年12月に成立した。租税及び印紙収入の動向を踏まえ,税収は当初予算比2兆7,820億円の減額補正が行われた。他方,災害関係経費,給与関係費等が追加された一方,既定経費の見直し,節減等がなされ,歳出計では2,660億円の増額補正となった。歳入面では,前年度剰余金の全額を不足財源に充当し,1兆3,870億円の建設国債が追加発行された(公債依存度9.5%)。
なお,91年10月より非課税範囲の追加及び簡易課税制度の縮減等の消費税の一部改正が実施されている。
(92年度予算の概要)
92年度の予算の概要をみると,一般会計の予算規模は72兆2,180億円と前年度当初予算に対し2.7%の増加(補正後予算比2.3%増),また地方交付税交付金,国債費等を除いた一般歳出は,前年度当初予算に比べ4.5%増となっている。
92年度予算では,財政改革を推進するなどの観点から,一般歳出について既存の制度・施策の見直しなどにより節減合理化を図り,また税外収入の確保にも努めたうえで,税収の鈍化(前年度当初予算比1.2%増)等に対応するため,建設国債の発行額を増加させるとともに税制面においても所要の措置が必要になった。これらの結果,公債の発行額は7兆2,800億円,公債依存度は10.1%(前年度当初予算7.6%)となっている。公債残高は引き続き増加し,92年度末には174兆円程度にも達すると見込まれ,また,国債費の一般会計歳出に占める比率は,22.8%と依然高いものとなっている。
その中において,時代の要請に応じた財源の重点的・効率的な配分が図られており,特に公共投資については「公共投資基本計画」等の着実な実施に資するため,公共事業等の拡充がなされ,景気にも十分配慮した予算となっている。90年6月に策定された「公共投資基本計画」は,21世紀に向けて着実に社会資本整備の充実を図っていくための指針となるものであり,2000年度までの10年間の公共投資総額をおおむね430兆円としている。これを踏まえ,92年度予算の一般歳出における公共事業関係費は前年度当初予算に対し5.3%増と拡充され,またその配分に当たっては,前年度から始まった生活関連重点化枠等を通じて,下水道(前年度当初予算比6.2%増,以下同様),環境衛生(6.6%増),公園(7.3%増)などの国民生活の質の向上に資する分野に,引き続き重点的・効率的配分がなされている。
また,公共事業以外の分野でも,国民生活の質の向上を図るため,例えば社会保障については,21世紀に向かって活力ある福祉社会を形成するため高齢者保健福祉推進十か年戦略の着実な推進に努めている。
92年度の財政投融資計画は総額40兆8,022億円,前年度当初計画に対し10.9%増,資金運用事業に対する融資を除いた一般財投は総額32兆2,622億円,同10.8%増と,高い伸びとなっている。例えば,道路,空港等の社会資本整備を行う公共事業実施機関については,同10.8%増と前年度を1.2%ポイント上回る伸びが確保されているなど,内需を中心としたインフレなき持続的成長の確保や財投に対する政策的要請に配慮して,資金の重点的・効率的配分が図られている。また,住民生活に密着した社会資本の整備等について,地方公共団体の果たす役割が大きいところから,92年度の地方財政計画において投資的経費は前年度計画に対し7.6%の伸びが見込まれており,とりわけ地方単独事業については同11.5%の高い伸びとなっており,社会資本整備の積極的推進が図られている。なお,国民所得統計ベースの92年度政府固定資本形成(名目)は31兆2千億円程度,前年度比3.3%増と見込まれる。
(緊急経済対策の決定)
91年後半から景気が調整過程に入り,設備投資の伸びが鈍化し,在庫調整と鉱工業生産の停滞が生じた。企業収益はなお比較的高い水準にあるものの減少しており,企業の業況判断には減速感が広まっていた。このような調整が企業家等の心理を大きく冷え込ませ,国民経済に悪影響を及ぼすことがないよう適切に対応するため,92年3月31日,緊急経済対策が決定された。この対策は7項目から構成されており,公共事業等の施行促進,電力,通信事業等における民間設備投資の促進,財政投融資対象機関等を通じた資金供給等による省力化投資の促進,労働時間の短縮や住宅金融公庫等融資の活用による個人消費,住宅投資等の促進,政府系金融機関等による中小企業対策,資本市場の活性化等による資金調達環境の整備,金融政策の機動的運営が図られた。翌4月1日には,公定歩合が0.75%ポイント引き下げられ,3.75%となった。公共事業等の施行促進については,92年度予算が4月9日成立した後,4月14日公共事業等の施行促進が閣議決定され,その上半期末の契約見込み率は75.2%とされた(第1-7-1表)。国の一般会計,特別会計,公団,事業団を合わせた施行対象額は,15兆330億円であり,91年度の上半期契約率が68.3%であったことから,92年度上半期契約額は前年度に比べ1兆5,641億円,増加率にして16.1%上回る。地方公共団体に対しても国に準じた執行を要請している。
このような公共投資予算の配慮から,公共工事着工(建設省調べ)はきわめて高い伸びをみせており,91年度は前年度比18.2%増となり,前年度を9.6%ポイント上回った。内訳でみても,国,公団,事業団等が16.6%増,全体の4分の3を占める地方公共団体等が18.7%増と拡大している。国の機関のなかでは,関西国際空港建設や東京湾横断道路等の大規模プロジェクトが公共工事の増大に大きな寄与をしているものと考えられる。公共工事の拡大傾向は92年度に入っても続いており,景気を支える要因として期待されている。
2. 金融政策の動向
(金融緩和の動き)
金融政策は89年5月の公定歩合引上げを契機に引締めに転じ,五度の引上げを通じて90年8月末に公定歩合は6.0%に引き上げられた。金融引締めの主要な目的は,資産価格が高騰し,生産活動が高い稼働率で推移するなか,物価上昇圧力が顕在化するのを未然に防止することであった。高い金利水準は,住宅建設を中心に国内需要に抑制的な影響を与えることとなった。90年末からはそれまでの高い成長からの減速がみられた。しかしながら,経済活動の水準は依然高く,湾岸地域における武力行使の影響もあり,91年前半まで物価を巡る情勢に大きな変化は生じず,金融引締めは持続された。単位労働コストの上昇が続いたものの,年央に至って物価を巡る情勢が幾分好転し,また,長短市場金利がそれまでのピークに比べ低下していたことから,7月1日に公定歩合が0.5%引き下げられた。91年後半には,設備投資,住宅投資,乗用車等耐久消費財への需要にストック調整の動きが明らかとなり,景気は調整局面入りした。
9月には,短期金利の大幅低下を日本銀行は金融調節により容認した。10月16日に,日本銀行は準備預金制度にかかる準備率を4割程度引き下げた。準備率の引下げは81年4月以来10年半振りのことである。預金準備率の引下げは,日本銀行にある民間銀行の当座預金における必要準備額を減少させるため,金融機関の機会費用の低下につながり,金融緩和の効果をもっていたと考えられる。さらに,物価が総じて安定的に推移し,長短金利が低下していることを踏まえ,経済の減速が企業家や消費者の心理に及ぼす影響にも留意し,日本銀行は11月14日と12月30日にそれぞれ0.5%ポイントずつ公定歩合を引き下げ,年末には4.5%となった。次いで92年3月末に緊急経済対策において財政面からの施策が決定された翌日(4月1日),公定歩合は3.75%へ引き下げられた。
なお,日本銀行は91年第2四半期をもって,いわゆる「窓口指導」(金融機関の貸出計画に対する事前的抑制指導)を廃止した。この背景としては,金利を通じた金融政策の有効性が高まっている一方,金融機関の融資姿勢が横並び量的拡大指向から採算性重視へと変化しており,厳正な融資態度が定着しつつあることが挙げられる。
(市場金利の動向)
短期市場金利の動向をCD(譲渡性預金)3か月物レートでみると,90年11月に8.4%のピークに達した後,緩やかな低下傾向にあったが,91年央以降の金融緩和局面において低下を続けた(第1-7-2図)。92年5月末には4.7%となっており,これは88年秋から89年初の水準である。長期金利の動向を国債流通利回り(10年物,指標銘柄)でみると,90年9月に8.7%まで上昇したが,91年2月にかけて6.5%まで急速に低下した。その後は,金融緩和期待の影響をうけながら緩やかな低下傾向にあり,92年3月末には5.3%まで低下したが,4月以降,アメリカの長期金利の動向,国内債券市場の需給緩和等から利回りはやや上昇した。
このような市場金利の動きをうけ,民間金融機関の貸出金利は低下している。民間金融機関の貸出金利は,調達コストとの連動性が高まっており,91年7月の公定歩合引下げ以降92年5月末までに,都市銀行等の短期プライムレートは六度,計2.625%ポイント低下し,また長期信用銀行等の長期プライムレートは五度,計1.9%ポイント下がった。その後6月に,長期金利の動向を受け長期プライムレートは0.3%ポイント引き上げられた。全国銀行貸出約定平均金利(新規実行分,長短総合)は,同じ期間に2.6%ポイント低下した。この貸出金利水準は89年央の水準であり,金利低下が国内民間需要に望ましい効果を与えることが期待されている。
(長短金利逆転の解消)
89年5月末以降の金融引締め局面では,短期金利の水準が長期金利を上回るようになり,長短金利が逆転した。これは,イールドカーブ(金利の期間構造)が順イールドから逆イールドへ変化したと呼ばれる。これは,金融引締め局面でよくみられる現象であり,当面の短期金利上昇が持つ物価安定効果が,将来の短期金利の低下につながるという期待を生み,長期金利の低下をもたらすことにより発生する。
イールドカーブは,90年9月に長期金利がピークに達した後,金利水準が全般的に低下するなかで徐々に平坦になり,91年9月には順イールドに転じた(第1-7-3図)。それ以降92年5月末にかけて,イールドカーブは順イールド化が進み,残存期間が長くなるにしたがい,金利水準は高くなっている。このような変化は,金融緩和により足元の短期金利が急速に低下した結果,先行きの金融緩和期待が弱まる過程で生じており,将来における景気の回復感を反映していると考えることも可能である。
銀行の運用調達構造をみると,調達面では短期資金が大宗を占める一方,運用面では長期貸出の比率が上昇していたため,91年央にかけての逆イールド状態は,銀行の運用利回りと調達コストの利鞘を縮小させる要因であった。91年度に入っては,短期プライム連動長期貸出金利の導入から,イールド形状の変化が銀行収益に及ぼす影響が小さくなっているなか,長短金利逆転の解消とともにそれまでみられた収益圧迫要因が薄れ,これが業務純益の改善に寄与したものとみられる。
(低いマネーサプライの伸び)
マネーサプライの伸びをM2+CD(現金通貨,全国銀行等の預金通貨,準通貨,譲渡性預金)の期中平均残高でみると,90年中は前年比10%を上回る増加を示したが,91年に入って伸びが鈍化した。91年後半からは鈍化傾向が一層強まっており,92年前半においては2%を切る過去最低の伸びにとどまっている。
M2+CDの伸び率を通貨種類別,所有者別にみると,90年央まで高い伸びを続けた法人準通貨が,91年に入ってからは減少(預金の取崩し)に転じている(第1-7-4図)。この背景としては,経済成長の伸びが緩やかに減速していること,金融機関が高レートの大口定期の受け入れに慎重なスタンスで臨んだ一方,企業サイドでもCP発行により調達した資金を大口定期預金で運用するという鞘取りの動きが減少したこと,企業は設備投資等に必要な資金を流動性の高い金融資産の取崩しで賄い,手元流動性の圧縮を図っていることが挙げられる。また,91年半ばからは広義流動性(M2+CDにその他の預貯金,金融債,国債等を加えたもの)の伸びがM2+CDの伸びを上回って推移しており,マネーがM2+CD対象外の広義流動性へ移動している可能性がある。同じ時期に個人の準通貨保有は伸びているものの,その伸びは低下しており,M2+CDの伸びを押し下げる要因となっている。これは,金利低下局面においてM2+CD対象金融資産よりもM2+CD対象外金融資産がより選好されていることを示していると考えられる。
M2+CDの伸び率を供給要因からみると,90年後半から民間向け信用の伸びが急速に鈍化している。これは,景気が減速するなかで企業の借入需要が減退していること,また,資産価格下落等を背景として金融機関の貸出姿勢が慎重化していることなどによる。
(収益重視の銀行行動)
資産価格が下落するなかで,90年秋以降銀行は量的拡大よりも採算性や信用リスク面に配慮した経営姿勢を明確にした。その背景には,有価証券の含み益の減少が自己資本比率の低下につながり,92年度末のBIS自己資本比率規制導入(8%以上の自己資本比率)に向けて,BIS基準達成を重視する行動をとったこと,不動産融資に関連する不良債権の増加が不動産業向け貸出等の信用リスクを高めたこと等が挙げられる。その結果,銀行は貸出を慎重に行うとともに,大口定期等の自由金利商品の金利設定姿勢に変化をみせ,また,海外業務の見直しを進めたとみられる。とりわけ,BIS基準達成に向けては,自己資本充実が必要であるばかりか,総資産の見直しを行い,低収益しかもたらさない資産については整理を行い,資産規模を適切な水準に抑えることも重要になってくる。
銀行の国内・海外における資産運用の動きをみると,90年央までは内外ともに総資産は高い伸びを続けた(第1-7-5図)。しかし,年後半には資産の伸びがはっきりと抑制されるようになった。国内においては,総資産の伸びは貸出金の伸びを下回っており,有価証券を中心に資産増加の抑制が図られている。91年後半から国内総資産はほぼ横ばいで推移している。さらに,円高の影響もあるが,海外支店における資産圧縮の動きはより急速であり,91年以降海外支店の総資産は前年を大幅に下回り,主要先進国における景気の停滞や不動産市況の悪化に伴う対外与信リスクの高まりもあって,海外支店を通じた貸付も抑制されている。このような資産抑制の動きを反映して,資金調達である預金の受入れは,国内・海外ともに総資産の伸びに見合った伸びに低下している。
第6節でみたように,91年度の銀行業務純益は前年度に比べて大きく増加したが,これは基本的に金利循環要因によるものである。91年7月の公定歩合引下げに先立って,市場金利は市場の金融緩和期待等をうけ,既に90年末から低下局面に入っていた。そのため,短期の新規貸出約定平均金利は90年12月から,調達コストの中心となる自由金利定期預金金利を上回る結果になっていた。金融緩和局面において貸出金利の低下が市場金利の動きに比べて遅れることは,これまでもみられたことである。しかし,90年後半以降高レートを付した大口定期預金の獲得行動が消極的になったことは,銀行行動が収益重視へ転換していることの一つの表れであるとみられる。
3. 構造調整政策の推進
市場メカニズムが働きにくいために経済活動の効率性が低下しかねない分野について,国民全体の厚生に配慮しつつ構造調整を進めることは,経済の歪みをなくし効率化をもたらし,消費者利益を増大させる。さらに,相対価格変動に対して財やサービスの購入,労働力と資本の投入,資産選択等の行動が伸縮的な動きをみせるようになることは,経済構造がより効率化することを意味し,マクロ経済政策が一層有効に機能する土台を提供する。
土地政策については,土地取引の規制,土地税制の見直し,土地の有効利用の促進,住宅・宅地の供給促進,土地利用計画の整備・充実及び機能分散の推進等を内容とする総合的な対策が推進されている。92年からの主な動きとしては,1月からの地価税導入,譲渡益課税の強化等の新土地税制が導入され,生産緑地法の改正により三大都市圏の市街化区域内農地は宅地化すべき農地と保全すべき農地に区分され,その都市計画上の措置が92年末までに実施されること,さらに,改正された借地借家法が8月から施行されることが挙げられる。さらに,商業業務施設の住宅地への無秩序な進出といった問題に対処し,用途地域の細分化等による住環境の保護や,土地の適正な利用を図ることを目的として,都市計画法及び建築基準法の一部改正が行われた。これらの措置により,資産としての土地保有の有利性がある程度減殺されるとともに,土地の有効利用が一層促進されることが期待される。また,金融機関に対して行われていた不動産業向け融資の総量規制は,91年末に解除されたが,その後はトリガー方式に移行することにより,融資についての監視が継続されている。トリガー方式とは,前年同月比でみた金融機関の不動産業向け貸出の伸びと総貸出の伸びを比較して,①2か月以上連続して前者が後者を3%以上上回った場合,当局は金融界に対し注意を喚起し,②2か月以上連続して前者が後者を5%以上上回った場合には,金融経済情勢等を総合的に勘案しつつ,総量規制を導入する体制を整えることをいう。
さらに,流通業の規制緩和と競争政策の強化については,「大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整に関する法律」(大店法)の改正,施行,及び独占禁止法とその運用の強化が行われている。また,金融証券制度の見直しについては,金融機関,証券会社の各種の業務分野への参入等を内容とする制度改革,銀行証券不祥事に対する対策としての証券取引等監視委員会の設置等を通じて,金融・資本市場における有効かつ適正な競争の促進,透明性の確保を図りつつ,国民の金融に対するニーズの多様化,高度化に応えるべく進められている。
92年6月には新しい経済計画が閣議決定された。計画の基本的課題は「地球社会と共存する生活大国」を目指すことであり,そのための具体的な政策方向として,生活大国への変革,地球社会との共存,発展基盤の整備が掲げられている。生活大国への変革に関する具体的目標としては,計画期間中(92年度~96年度)に年間総労働時間1,800時間を達成すること,大都市圏においても勤労者世帯の平均年収の5倍程度(諸条件の下における住宅の取得のために調達可能な資金額)を目安に良質な住宅の取得が可能となることを目指して,できる限りこれに近づけることなどが挙げられている。
政策運営の基本方向は,環境と調和した内需主導型の経済構造を定着させることであり,この下で,計画期間中の実質成長率を年平均31/2%程度,内需の実質成長寄与度を33/4%程度と見込んでいる。
政府は,国民,企業,市場の間の媒介役というソフトな役割を果たすことが重要であり,経済計画等が経済社会の中期ヴィジョンなどを提示することにより,我が国の市場経済が一層有効に機能することが期待されている。