昭和62年
年次経済報告
進む構造転換と今後の課題
昭和62年8月18日
経済企画庁
第I部 昭和61年度の日本経済-構造転換期の我が国経済-
第5章 一層安定化した物価動向
円高,原油価格の低下によって大幅にコストの低下した電力・都市ガス業においては,61年6月と62年1月の2度にわたって料金を暫定的に引き下げた。
消費者物価でみたその通算の引き下げ幅は,電力で11.7%,都市ガスで13.1%となっており,これにより61年度の消費者物価は約0.3%低下した。価格改定のあったその他の主なものとしては,輸入牛肉の売渡価格の引下げ,畜産物の安定価格の引下げ,小麦の政府売渡価格引下げ,航空運賃,国際通信料金の値下げ等があったものの,サービス料金と同様に人件費コスト等の上昇もあり,国内製造たばこが61年5月に平均10.5%,旧国鉄運賃が9月に旅客平均4.8%それぞれ値上げされ,社会保健診療報酬,国立大学授業料等も値上げとなっている。
なお,62年産の生産者米価については,生産費の低下等を勘案し5.95%の引下げとなった。