昭和62年

年次経済報告

進む構造転換と今後の課題

昭和62年8月18日

経済企画庁


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第I部 昭和61年度の日本経済-構造転換期の我が国経済-

現在の世界経済の問題は,先進国間の国際収支不均衡,特にアメリカの国際収支大幅赤字と日本の国際収支大幅黒字,発展途上国特に累積債務国の国際収支困難である。これらはともに構造的側面を強く有し,その解消にはかなり長期を要すると考えられる。しかしこれらの問題が国際経済にもたらす不安定性は,最近強まりをみせており,早急に解決に取り組まねばならないことを示している。

こうした中で,昭和61年度の日本経済は,急激な円高・ドル安が進展する中で,広範な構造調整が進行した。経済成長に対する外需の寄与度は8年ぶりにマイナスとなり,国際収支の不均衡是正への芽がみえはじめた。その過程で,生産,雇用など国内経済の各分野にバラツキが生じた。第I部では,このような構造転換期に日本経済がどのように対応し,変化してきたかについて,明らかにする。


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