第2章 第1節 3.人口減少により厳しさを増す地方財政

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高齢化・人口減少が進むなか、多くの地方公共団体が財政の悪化に直面している。地方公共団体の財政破綻を未然に防ぐため、「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」(地方自治体財政健全化法)により、地方公共団体の財政の健全度を示す4つの比率(健全化判断比率)が新たに定められ、これらの比率の公表を地方公共団体に義務づけることになった(付表2-1)。同法では、財政の健全度を反映する4つの比率のうち、1つでも「早期健全化基準」を超えると、財政健全化計画の策定と外部監査が義務付けられ、さらに、1つでも「財政再生基準」を超えれば、財政運営の状況いかんでは、総務大臣から予算変更等の勧告4を受けることとなる。財政再生計画の策定の義務付け等のいわゆる本格導入は2008年度決算からであるが、2007年度決算に基づき、各地方公共団体の健全化判断比率が公表されている。

それによると、都道府県単位では早期健全化基準を超える団体はなかったものの、市町村単位では、2市1村5が「財政再生団体」に相当し、その他の40市町村が「早期健全化団体」に相当する結果となった。早期健全化基準を超えたこれら43市町村のうち、30町村は過疎地域に指定されている(第2-1-7図)。早期健全化基準を超えた市町村における財政状況の悪化の原因をみると、一般会計は黒字であったとしても、病院事業の慢性的赤字や、かつての宅地造成や観光施設等の大型公共投資によって多額の負債を抱えていることが多いが、こうした原因の背景には、人口減少や高齢化があるものと考えられる。

第2-1-7図 早期健全化基準を超える自治体数に占める過疎地域数
(2007年度決算)

第2-1-7図

(備考) 総務省公表資料により作成。

4. 財政再生計画について、総務大臣に協議し同意を得られなければ、地方債の起債を制限されることとなる。
5. 北海道夕張市、北海道赤平市、長野県王滝村。

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