平成7年

年次経済報告

日本経済のダイナミズムの復活をめざして

平成7年7月25日

経済企画庁


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第1章 自律回復を模索する日本経済

第2節 緩やかな伸びにとどまった個人消費

ここでは,設備投資が前年比で増加に転じて景気が自律回復局面に移行していくまでの間,最終需要の帰すうに大きな影響を与えるとみられる個人消費の動向についてみていく。また,昨年実施された所得減税(所得税及び個人住民税減税)が個人消費に与えた影響,貨幣錯覚に対する考え方,全体が緩やかな動きを示すなかでの家電等耐久消費財の販売好調の背景等,についてもまとめる。

1. 緩やかな増加基調にとどまった個人消費

(家計調査でみる消費の基調)

総務庁「家計調査」の実質消費支出(全世帯)の推移をみると,単月での振れはあるものの94年3月を底として増加トレンドをたどってきた。ところが,94年第4四半期に入ると前期の反動に加え,12月には,後でみるように減税にもかかわらず所得環境が悪化したことから,増加トレンドは緩やかなものに転じた。さらに,本年1,2月には,阪神・淡路大震災の影響もあって,トレンド線はほぼ横ばいから低下傾向を示しており,昨年からみられた前向きの動きに足踏みが生じている( 第1-2-1図 )。

こうした基調の変化の背景としては,94年第3四半期には猛暑・渇水に伴う消費浮揚,本年第1四半期には阪神・淡路大震災による消費抑制といった一時的な要因の影響も無視できない。ただし,こうした一時的な要因がはく落したとみられる最近においても消費に弱い動きがみられていることからすれば,住宅建設の頭打ち等による消費への波及効果が一巡するなかで,所得環境の改善が遅れていることも影響しているとみられる。

(民間最終消費支出の推移)

今回の回復局面では個人消費に主導されて景気が回復するという見方がなされていたが,この点を国民所得統計の実質民間最終消費支出の推移を過去の回復局面と比較することで考えてみる( 第1-2-2図 )。

今回の実質民間最終消費支出は,上記家計調査の動きと平そくを合わせるように,94年第3四半期(景気の谷から3四半期目)に大きく増加した後,第4四半期に減少するなど上下動を繰り返してきた。

これを過去の回復期の消費の増加テンポと比べると,景気の谷直後は過去の回復期とそん色ない増加を示したものの,2四半期目以降は過去のいずれの期の増加テンポをも下回り,予想に反して消費の回復テンポが相当に緩慢であったことが確かめられる。

次に,こうした消費の動きが全体の経済成長を主導したかどうかを考える。ここでは実質GDPに占める民間消費支出の構成比の変動で主導の可能性をみてみる。なぜなら,民間消費支出が高い伸びを示したとしても全体の経済成長がそれ以上であれば,これは消費主導の成長とはいえないからである。

これによれば,同構成比は,今回の景気循環において,景気拡張局面では設備投資が主導していたことを映じて景気の山(91年第2四半期)に向けて低下傾向をたどってきた。一方,景気後退局面では逆に顕著な上昇をみせており,厳しい景気後退下,他の最終需要が減少するなかで結果として個人消費が景気を支えてきたことを示している。ところが,景気の谷以降は,同構成比はおおむね横ばい圏内で推移しており,消費が主導している姿とはなっていない( 第1-2-3図 )。

ちなみに,景気回復局面に着目してこの構成比をみると,同構成比が上昇するかたちで景気回復を果たしたとみられるのはミニ調整後の78~79年のみであることが分かる( 付図1-2-1 )。これには,後にみるように消費性向が第一次石油危機後の潜在成長率の下方屈折を受けて大きく上昇し始めたことが影響している。

(実質所得が足を引っ張った個人消費)

ここでは足元でみられる個人消費の緩慢な動きが,実質所得と消費性向という二つのマクロ要因のどちらによってもたらされているかをみる。

そこで,実質所得と平均消費性向を景気の谷を100として過去の回復期の推移と比較してみる( 第1-2-4図①,② )。

まず,実質所得についてみると,景気の谷以降2四半期目までは過去の回復期を上回る増加を示したが,その後は一転して4四半期月まで過去の回復期の下限をはうような弱い基調をたどってきた。このように実質所得が緩やかな増加にとどまったことには,賃金が所定外給与の増加等を反映して緩やかに改善してきたものの雇用者数の伸びが鈍化してきたことが影響している。

次に,平均消費性向については,94年第1四半期(景気の谷から1四半期目)に異常な上昇がみられているが,それ以降の推移は,データは明らかではないものの,実質民間消費支出と実質所得が似通った動きを示していることや,消費性向関数による94年の推計値が前年を下回る可能性を示していることからは,過去の局面同様横ばい圏内で推移しているものとみられる( 第1-2-5図 )。

以上からは,今回の実質民間消費の動きには,期待された平均消費性向の上昇はみられないなか,実質所得が低い伸びにとどまったことが大きく影響しているといえる。

ちなみに,今回の景気回復局面での実質所得の伸びが歴史的にみてもいかに低いかは,実質雇用者所得の前年比伸び率の推移からもみてとれる。これによれば,潜在成長率の下方屈折をみた第一次石油危機以降,雇用者所得はそれまでの2桁の伸びから4%前後に下方シフトした後は安定的に推移してきたが,今次景気後退局面入り以降急速に低下して,足元ではおおむね2%前後の伸び率に止まっている( 第1-2-6図 )。

(なぜ消費性向は上昇しなかったのか)

消費主導という言葉をこれまでは経済全体に占める民間消費の構成比の上昇という観点からみてきたが,厳密には,消費性向の上昇→実質民間消費の増加→同構成比の上昇,というメカニズムが消費主導という本来の姿といえる。

そこで我が国における平均消費性向の推移をみると,第一次石油危機を境にそれまでの低下トレンドと,それ以降の上昇トレンドに明確に分かれる。しかも,第一次石油危機後についてより詳しくみると,70年代後半から80年代前半にかけては顕著に上昇を示したものの,80年代後半以降はおおむね横ばいで推移している( 第1-2-7図 )。

こうした第一次石油危機後のすう勢的な上昇トレンドは,潜在成長率の屈折(=実質雇用者所得の下方シフト)によるものとみられる。なお,80年代以降,バブル期の資産効果による上昇を除くと上昇トレンドがなだらかになってきているのは,潜在成長率の下方屈折を受けた消費行動の調整がようやく終了してきていることによるものとみられる。

ところで,我が国においては,なぜ平均消費性向がこうしたトレンドを離れて大きく変動しないのかという疑問がでてくる。実際,他の先進諸国(イギリス,カナダ,オーストラリア)では,消費主導で今回の景気回復が実現されていることがOECDで指摘されている( 付図1-2-2 ,コラム「消費主導による景気回復の事例」参照)。

こうした違いが生じる理由としては以下の点が考えられる。

①我が国の消費性向関数の要因分解をみると,将来の所得や雇用見通しを現すマインド要因(ここでは所定外労働時間を用いているが,所定外労働時間は労働時間短縮の動きにも影響されることには留意が必要である。)は91年から93年にかけてマイナスに寄与しているものの,長期的には実質所得や物価の効き方に較べて大きいとはいえない(前掲 1-2-5図 )。このことは,我が国の消費者が将来の所得見通しよりも短期の所得や物価に影響される度合いが強い可能性を示唆している。

つまり,消費者は,所定外労働時間の増加といった今後の所得環境改善のシグナルを認めながらも,足元の実質雇用者所得の低い伸びや資産価格の軟調な推移を眺めて,消費に対して慎重になっている可能性が強い。

②我が国では,実質民間消費全体に占める耐久消費財のウエイトが小さい(93年度8.7%)ことから,仮に金利感応度が高いとみられる耐久財消費が景気循環に伴う金利低下を受けて増加したとしても,全体への押し上げ寄与は限られてしまう。


(消費主導による景気回復の事例)

我が国に先駆けて景気回復局面に入った主要先進国のうち,消費主導によって景気回復がもたらされたといわれているのが,イギリス,カナダ,オーストラリアの3か国である。

この点を消費性向の推移でみると,程度の違いはみられるものの,景気の谷以降で上昇がみられる。

こうした消費主導の回復が可能になったのは,本文でも指摘したように,金利感応度の高い耐久消費財の消費全体に占めるウエイトが我が国に比べて高いことが考えられる(イギリス10%,カナダ13%,日本8~9%)。

もっとも,オーストラリアについては,今回が初めての消費主導の景気回復といわれており,別の要因が働いている可能性もある。この点については,詳しい実証分析は行われていないものの,OECDでは家計部門でのバランスシート調整の進展を指摘している。

つまり,オーストラリアでは景気回復直前の90~91年に,家計セクターで負債残高が住宅ローンの取入れ積極化等から急増しバランスシート調整が起こったが,91年以降の金融緩和によって負債残高の減少や利払い負担の軽減が進んだため消費インセンティブが高まった可能性が考えられる。

図 オーストラリアとカナダの平均消費性向の推移


(今後の個人消費の展望)

以上の分析から,今後の個人消費の動向を展望すると,今回も消費性向の上昇は期待できないことから,緩やかな実質所得の伸びに沿った推移が見込まれる。

つまり,所得面からは,所定外給与の増加等を映じて所得環境は徐々に持ち直しているとはいえ,今春闘の伸び率が前年実績を下回った(主要企業,95年度2.83%,94年度3.13%<労働省労政局調べ>)ことからも明らかなように,企業では売上が鈍化するなかで売上高固定費率を引き下げるため,ボーナス等を大きく調整してくる可能性が残されている。このため今後の所得の伸びについては,急速な改善は期待できず緩やかなものとなることが予想される。

2. 所得減税が個人消費に与えた影響

個人消費にとっての明るい動きとして,94年に総合経済対策に基づいて,所得税及び個人住民税について,定率(20%)による特別減税が実施され(減税規模5.5兆円),給与所得者については原則として賞与の支給月に当たる6月,12月に,また個人住民税については6,7月に反映された。

なお,個人事業者に対する所得税減税については,雇用者と違って確定申告時(95年3月)等に減税分が反映されることとなるが,ここでは大多数の給与所得者が影響する昨年6~7,12月の影響を分析する。

そこで,所得減税が消費支出に与えた効果をみるために,総務庁「家計調査」による勤労者世帯の実質消費支出の前年比伸び率を,名目実収入,非消費支出,物価,消費性向の四つで要因分解してみると,減税が行われた94年6~7月,及び94年12月に,税金や社会保険料等が計上される非消費支出が納税資金の減少から大きくプラスの寄与に働いている( 第1-2-8図 )。同じ時期の名目実収入がボーナスの前年割れを主因に実質消費の押し下げに効いていたことを考えると,減税が可処分所得の下支え(実収入-非消費支出=可処分所得)を通じて,消費に大きく寄与したことがみてとれる。

ただし,94年6~7月では,非消費支出のプラス効果が実収入や消費性向のマイナス効果を上回り実質消費は前年水準を上回るまでに回復したが,12月については,実収入がそれ以上に大幅に減少したことから,減税効果を折り込んでも実質消費は大きく前年を下回った。

また,減税は先にみたように所得面での下支えに加えて,限界消費性向を高めることを通じて結果として平均消費性向を引き上げ消費を浮揚させるのではないかとの期待もみうけられた。

これを確かめるために,先の要因分解で平均消費性向の寄与をみると,減税実施月ではラチェット効果からいったん消費性向は低下し,実施以降上昇に転じており,実施以降の平均消費性向の上昇を,減税分の支出増による限界消費性向の高まりの結果とみれなくはない。ただし,ならしてみれば6~7月の低下とそれ以降の上昇がほぼ見合っていることからすれば,限界消費性向によって平均消費性向が引き上げられたとはいえない。そもそも,過去に大規模な所得税減税が実施された時期の平均消費性向をみても(87~88年),基本的には74年以降のトレンドから大きくかい離していないことからして,限界消費性向が平均消費性向に与えた影響は小さかったものとみられる。

なお,95年においても,94年と同規模(5.5兆円)の所得税及び個人住民税減税が実施されており所得を下支えすることが期待される。

3. 貨幣錯覚の考え方

ディスインフレが個人消費に影響を与えるメカニズムとして,ピグー効果(物価の下落が資産の実質価値を増加させて消費を刺激する効果)に加えて貨幣錯覚(マネーイリュージョン)が指摘されている。

貨幣錯覚とは,実質所得の伸びが同じであっても,名目所得の伸びが高い方が実質個人消費の伸び率が高くなるという見方であり,現状の名目所得がディスインフレ下で伸び悩んでいることが実質消費の頭打ちをもたらしているとするものである。

つまり「実質個人消費を決定するのは飽くまでも実質所得であり,名目所得の変化は実質個人消費に対して中立的である」という考え方(名目世界と実質世界の分断)では,名目所得10%増・物価上昇率5%増のケースも,名目所得5%増・物価上昇率0%のケースであっても実質所得の伸びは5%増で同じであり,実質消費への効果は同じになる。ところが,貨幣錯覚の立場からは,名目所得10%増の場合の方が実質消費の伸びが高くなるという結論になってしまう。

ここでは,実質消費関数のパラメータの比較等によって,貨幣錯覚が起こっていないこと,ないしは起こっているとしてもその効果は非常に小さいことを明らかにする。

(実質消費関数による検証)

ここでは,実質消費を名目所得(この弾性値α),物価指数(この弾性値β<負>)で回帰し,弾性値の大きさを比較することで貨幣錯覚の可能性をみることとする( 付表1-2-3 )。

つまり,α=|β|であれば,説明変数である名目所得と物価は一つにくくることができ実質所得の伸びのみが実質消費の伸びに影響を与えるが,仮にα>|β|の関係が確認されれば,名目所得の伸びが高いほど実質消費の伸びが高くなるという意味での貨幣錯覚が確かめられることになる。

まず,説明変数を上記2変数だけで回帰して弾性値を比較してみると,マクロベース(SNA実質消費をSNA名目可処分所得と消費デフレータで回帰)では,すべてのケースでα<|β|が確認され貨幣錯覚の存在は認められなかった。

しかも,こうした物価の弾性値の絶対値が名目所得の弾性値を上回るという関係は最近になるほど強くなっており,最近の物価上昇率の低下が実質所得を増加させて実質消費を支えるというメカニズムが強く働くようになっているといえる。

もっとも,家計調査を使った一世帯当たりの消費関数やマインド,資産残高効果を加えた4変数での消費関数では,α>|β|の関係がみてとれる。

ただし,これについても,推計期間が最近になるほどαと|β|のかい離は縮小し,有意な違いとはみなせない程に小さくなっている。

また,経済企画庁「消費動向調査」の「消費者意識指標」によれば,消費者は物価上昇率の鈍化に対して,物価上昇率の低下期待が名目所得上昇率の低下期待よりも相対的に強いことがみてとれる( 第1-2-9図 )。このことは,仮に多少のα>|β|があったとしても,消費者はディスインフレによる名目所得と物価への影響を同じとは認識せず,物価の鈍化の方がより大きいとみなして行動するため,貨幣錯覚の影響がさらに薄められてしまう可能性を示している。

以上からは,名目所得の伸びがディスインフレによって低迷し実質消費の伸びを抑制するという貨幣錯覚が起こっている可能性は非常に小さいといえる。これは,足元の実質消費の緩やかさが,名目所得の伸びの低さに起因するものではなく,実質所得の伸び自体の低さにあるという先にみた結論を支持するものでもある。

4. 耐久消費財の販売好調の背景

全体の実質消費が緩やかな伸びにとどまったなかで,94年後半以降,家電,乗用車等耐久消費財の販売が好調に推移してきた。

ここでは,こうした販売好調の背景をみるとともに,耐久消費財の動きと全体の消費動向をどう位置付けていったらよいのかについて考え方を整理する。

(耐久消費財の販売好調の背景)

最近の家電,乗用車販売の推移をみると,家電については93年後半以降台数ベースでは,白物家電(洗濯機,冷蔵庫等),AV家電(VTR,テレビ等)が主役を交代しながらも堅調な販売を続けている。

また,乗用車販売についても,94年6月に15か月振りに前年水準を上回って以来,本年3月まで前年比で大幅な伸びを続けてきた。もっとも,4月については,1~3月が決算対策等から高水準だった反動もあって前年割れとなったものの,年初からならした伸び率は前年比5.5%増(95/1~5月)と底堅い動きをみせている。

こうした販売が好調に推移してきている背景としては,循環要因と特殊要因がうまく重なりあったことが挙げられる。

まず,循環要因としては,耐久消費財のストック調整がほぼ終了して,買換え需要が高まってきていることが挙げられる。これをSNAベースの家電と乗用車のストックの前年比推移で確かめると,バブル期に高まったストックの伸び率は,92年以降大きく鈍化してきており,データが明らかな93年の伸び率はバブル期以前の85年当時を更に下回っている( 付図1-2-4 )。

こうした買換え需要が高まるなか,昨年実施された所得減税が可処分所得の下支えに寄与する下で,堅調な住宅建設を背景とした白物家電の販売好調や,昨夏の猛暑によるエアコンの販売増といった特殊要因も働いた。

加えて,最近のディスインフレを映じた販売価格の低下が,販売数量の引上げに寄与していることも重要な要因とみられる。

上記3で行った消費関数による推計を,財別にみたのが 付表1-2-5 である。これからは,実質耐久財消費の物価に対する弾性値(物価が1%下落したら実質消費が何%増加するか)が他の財に比べて高く,しかも絶対値が1を越えていることが分かる。耐久消費財に限れば,価格が低下する以上に販売数量が増加してきた関係がみられる。

なお,推計期間をより最近時点で行った方が,耐久消費財の価格弾性値が大きくなっていることには,消費者がディスインフレの進行を眺めて価格志向を強めてきていることも影響している。

(耐久消費財と消費の基調の見方)

以上のように,今後の耐久消費財販売については,ストック調整の終了を背景とする潜在的な買換え需要の増加を背景に,販売価格の低下もあって堅調な販売を示していくことが見込まれる。

そこで問題なのは,こうした耐久消費財の明るい動きが,徐々に消費全体に広がっていくのかどうかという点であろう。

これを考えるに当たっては,1で考えたように実質所得の伸びが低いなかでの,即ち所得制約が従来以上に強いなかで耐久消費財の購入が行われている可能性が強いということが重要なポイントとなり得る。

そもそも所得制約が働いているとすると,消費者は他の消費を節約して耐久消費財を購入している可能性が少なくないとみられるため,実質個人消費に占める耐久消費財のウエイトが8~9%に過ぎないことを考え合わせれば,耐久消費財の動きが必ずしも消費全体の基調を表しているとはいい難い。

このため,耐久消費財の堅調な販売が消費全体の基調の改善につながっていくためには,耐久消費財の堅調な販売とあいまって,実質所得の増加基調がより確かなものとなっていくことが必要であろう。