平成5年

年次経済報告

バブルの教訓と新たな発展への課題

平成5年7月27日

経済企画庁


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第4章 豊かさに向けた経済のリストラクチュアリング

バブルの崩壊,景気後退の長期化などのなかで,新しい方向への歩みが始まっている。企業のリストラクチュアリングの動き,消費者行動の変化などがそれである。

戦後の日本経済の歴史は,大きく変化する内外経済環境への適応努力の歴史だったともいえる。石油危機,円高などが生ずるたびに,日本経済は多くの困難に直面してきたが,結局は豊かな適応力を発揮し,一段と効率的な経済となって蘇るというプロセスを繰り返してきた。今回もまた,日本経済の適応力は発揮されるのか,その結果日本経済はどのような変化を遂げようとしているのだろうか。

こうした問題に答えるため,本章では,第1節で石油危機,円高後の日本経済の対応努力を振り返って,今回の調整局面との異同を比較した後,第2節で企業のリストラクチュアリングの動きを,第3節で家計の行動変化の動きを述べる。そして最後に第4節で景気循環を超えた日本経済の成長力について考える。


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