平成5年

年次経済報告

バブルの教訓と新たな発展への課題

平成5年7月27日

経済企画庁


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第3章 拡大する経常収支黒字と我が国の課題

1991年から93年にかけて,日本経済は世界経済との関係でも大きな変化を示した。経常収支の黒字が大幅に増加し,その反面で,長期資本の流出幅が縮小ないし流入に転ずるなど,資本の流れも大きく変化した。さらに93年に入ってからは,円レートが急上昇した。こうした変化の中で,「景気の後退が黒字を急拡大させているのではないか」「黒字の還流が十分進んでいないのではないか」「円高が経済全体に悪影響を及ぼすのではないか」「世界で突出した黒字が,海外から非難されるのではないか」といった議論が見られる。本章では,こうした問題に答えるため,第1節で,近年の経常収支黒字急増の背景としての輸出入の変化を分析し,第2節で,経常収支黒字の反面としての資本の流れの変化を取り上げ,第3節で,貿易構造など対外経済面における長期的な変化を示し,第4節で,93年の円高の影響を取り上げ,最後に第5節で,経常収支黒字拡大の原因と黒字の評価について考えたあと,世界における日本の役割について述べる。


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