付注2-6 転職による賃金上昇率への平均処置効果の推計

1.概要

外部労働市場における賃金変動の程度を確認するため、転職が賃金の伸びに与える影響について、ある年tに転職した正規雇用者の、転職前の職場からの賃金のみから成るt-1年の賃金と、転職後の職場の賃金のみから成るt+1年の賃金を比較する。また、その際、定期昇給等のトレンドを除いて評価するために、傾向スコアを用いた逆確率重み付け法により、非転職者と転職者の属性が均質になるよう調整したうえで、転職による賃金上昇率への平均処置効果(ATT;Average Treatment effect on the Treated)を推計する。なお、「環境改善目的1」(賃金や労働条件等に関する不満・不安)および「賃金への不満2」を動機とする転職者をそれぞれ対象に分析した。

2.データ

リクルートワークス研究所「全国就業実態パネル調査」の個票データ(2015年から2023年までの状況に関するデータ)を用いて検証した。

3.推計方法

付注2-6 推計方法

4.推計結果

付注2-6 推計結果

1 前職の退職理由が「賃金への不満」、「労働条件や勤務地への不満」、「会社の将来性や雇用安定性への不安」であった転職者。
2 前職の退職理由が「賃金への不満」であった転職者。
3 転職者において、転職年の賃金には、前職の職場の賃金と、現職の職場の賃金が共に含まれていると考えられるほか、入社初年度はボーナスが支給されていない事例があることも踏まえ、ここでは転職前年から転職翌年への賃金変化率について分析する。なお、本分析においては、賃金変化率の上下2.5%分位点の外側のデータを外れ値として除外している。
4 対象年の1年前から1年後の賃金変化率を、対象年における賃金上昇率と定義しているため、データセットの最初の1年と最後の1年は推計対象から外れている。