付注2-1 家計調査における断層調整について
1.概要
総務省「家計調査」では、2018年に調査に使用する家計簿の改正を行っている。しかし、家計簿の様式が異なることで記載内容に差が生じれば集計値に影響し、改正前後で計数に断層が生じる可能性がある。
総務省は、この断層を補正するため、2018年調査では全国の調査世帯を二分して、約半数の世帯で新家計簿、残りの世帯が旧家計簿を使用して調査を行い、2019年1月調査以降に全世帯で新家計簿を使用するという段階的な改正を行うことで、旧家計簿のみを使用した場合の増減率(変動調整値)を推計して1、元の集計値と合わせて公表している。2019年以降と2018年以前の数字を比較する際にはこの変動調整値を用い、断層調整をすることが望ましい。
本稿では、家計調査を用いて2019年以降と2018年以前の値を時系列比較する際は、特に断りのない限り、変動調整を実施した系列を使用している。ここでは、本稿における変動調整方法について詳述する。
2.調整方法
本稿では、家計調査を用いて時系列比較する際に、総務省が公表している変動調整値を用いて、2018年以前の値を、全世帯が新家計簿を使用した場合のベースに水準補正している。具体的には、2019年以降の値については元の集計値を、2018年以前の値については、2019年の値に変動調整値で割り戻して推計することで、全ての期間で新家計簿を使用したと仮定した場合の時系列データを作成している。
なお、変動調整値は、総世帯・単身世帯・二人以上世帯それぞれの世帯類型について、勤労者世帯全体、無職世帯全体の変動調整値のみ公表されており、それより細かい属性別(年齢階級・年収等)の変動調整値は公表されていない。そこで本稿では、世帯類型ごとに勤労者世帯、無職世帯内では調整係数(変動調整した系列/元の集計値)は一定であるとの仮定を置き、世帯類型ごとに勤労者世帯全体、無職世帯全体の調整係数を用いて変動調整した系列を計算している。

