第2部 第1章 第6節  <コラム> 九州新幹線の開業効果

[目次]  [戻る]  [次へ]

<コラム> 九州新幹線の開業効果

2004年3月に九州新幹線が一部開業した(新八代~鹿児島中央間)。8月22日までの利用者をみると、各月とも前年の在来線特急利用者数と比較して2倍以上の伸びとなっている(図1)。開業後の鹿児島県内の宿泊施設利用者数及び観光施設入場者数も同様に高い伸びとなっている(図2)。

九州新幹線の開業に伴い、鹿児島市内の地価にも変化がみられる。鹿児島中央駅周辺の地価は、市内の平均及び最高価格地点(鹿児島市の中心繁華街)よりも下落幅が縮小し、2004年には下げ止まった(図3)。同駅周辺では、商業施設等の開発が進んでおり、9月には各種専門店、飲食店、複合映画館等からなる、九州最大規模の駅ビルが開業した。今後は、中心繁華街との間で小売等の競争、新幹線開通の時間短縮効果による福岡市との間の都市間競争も活発化してくると考えられる。

開業効果の持続性という観点から、先行して2002年12月に盛岡~八戸間が延長された東北新幹線の利用者数をみると、開業直後の急激な伸びは落ち着いてきたが、好調であった前年並みに推移している(図4)。青森県内の観光客数等をみても、八戸周辺だけではなく、県内各地で客数が増えている。これは、観光キャンペーンの奏功や観光バス、アクセス特急といった二次交通の充実等によると考えられる。

[目次]  [戻る]  [次へ]