第2部 第1章 第4節 <コラム> 鳥インフルエンザ(高病原性鳥インフルエンザ)の影響
<コラム> 鳥インフルエンザ(高病原性鳥インフルエンザ)の影響
2004年1月に発生した鳥インフルエンザの影響について景気ウォッチャー調査から検証する。
1月、2月の調査では「BSE、鳥インフルエンザの影響が出ており、畜産部門は非常に苦戦している(中国のスーパー)」など、全国各地から鳥インフルエンザに関するコメントが寄せられた。
しかし、3月調査時には畜産業の盛んな北海道、鳥インフルエンザの感染が確認された近畿、中国、九州を除く地域からのコメントはほとんど見られなくなるとともに「BSEや鳥インフルエンザの報道の影響で肉の売上が瞬間的に落ち込んだが、すぐに回復している(北海道のスーパー)」といったコメントも寄せられていた。
4月には、京都府が鶏や卵の移動制限を解除し、鳥インフルエンザ問題の終息宣言を行ったこともあり、その後の調査では、コメントは中国以西の地域で散見される程度となった。
鳥インフルエンザについてコメントした回答者の現状判断DIを集計すると、1月には38.8であったが、月を追うごとに改善し、3月には横ばいを示す50を上回っており、景気ウォッチャーの視点からは、鳥インフルエンザの影響は、京都府の終息宣言の前に、ある程度収束していたことが分かる(表)。