第2部 第1章 第4節 <コラム> 消費税総額表示の影響
<コラム> 消費税総額表示の影響
消費税法の改正に伴い、2004年4月以降、商品の価格表示については、消費税を含んだ総額表示とすることとなった。この影響について、景気ウォッチャー調査から検証する。
事業者の中には、制度が導入される4月以前から、総額表示の導入に踏み切るところもあり、3月調査では「3月中旬より総額表示に切り替えたが、単価が高くなっているという客の声が多い。税込み価格であると説明しているが売上が5%程度減少している(北関東のスーパー)」というコメントが寄せられた。
制度が導入された4月調査時には、各分野合計、家計動向関連、小売関連の各DIが前月を上回るなか、スーパーについては「消費税総額表示で、客は価格が高くなったという認識を持ち、買上点数が少なくなっている(四国のスーパー)」といったコメントが多く寄せられるなど、DIは5.7ポイントのマイナスとなった(図)。一方で、「月初は客が消費税の総額表示に戸惑ったため、売上が若干落ちたが、月末にかけて客の動きも落ち着き、平常に戻った(北陸のスーパー)」とするコメントも寄せられた。
消費税総額表示についてコメントした回答者の現状判断DIを集計すると、4月には36.8であったが、月を追うごとに改善し、7月には横ばいを示す50を上回った。
以上のことから、消費税総額表示方式の導入は特にスーパーに大きな影響を与えたが、その影響は2~3か月でほぼ収束したことが分かる。