第1部 第2章 第4節 外国人観光客増加への取組を通じた地域経済の活性化 2.

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2.観光統計の問題点

国際観光を取り上げる際に問題となるのは、地域ごとの外国人観光客を把握するための統計が十分に整備されていないことである。正確な人数及びその動向を迅速に把握することができなければ、外国人観光客の誘致策を実施したとしても、その効果が目に見える形となるまでに時間を要し、適切な対応を取ることが難しいだろう。

日本全域における外国人観光客を把握する統計としては、独立行政法人国際観光振興機構(JNTO)の「日本の国際観光統計」「訪日外客数・出国日本人数」が活用できる。本統計では、外国人観光客を国別に集計しており、毎月の数値が約3か月後に公表されるので時間的ずれも少ない。

しかし、都道府県別に外国人観光客を把握することは、現状では難しい。第1-2-4(4)表は、各都道府県の主要観光客調査(44)において、観光客数をどのように把握しているのか調査単位をまとめたものである。一見して分かるとおり、調査基準は都道府県ごとに相違があり、日本人と外国人を区別しているところも限られている。また、公表頻度についても、年次ごとの公表がほとんど(45)である上、集計作業に暦年あるいは年度が終了してから半年余りかかることが多い。この最長で1年半のずれは、迅速にデータを把握するための障害となっている。

こうした認識のもとに、観光立国行動計画では、国土交通省が「観光の重要性等を明らかにする観光統計の充実」を図ることとなっている。

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