第1部 第2章 第3節 外資系小売業の日本進出 5.

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5.消費者利益につながる外資系小売業の日本進出

外資系小売業は、2000年の規制緩和を契機に我が国市場に参入してきたが、事業展開は必ずしも順調なものではなかった。 この経験を基に最近では、徹底的なマーケティング調査等から、商品の質の改善、日本の主力である生鮮食品の品ぞろえの充実、売場の改善や日本市場に詳しい日本人スタッフの増員等により、前年より売上を伸ばしている外資系小売業もみられる。また、日本式を導入しつつも、外資系企業ならではの外国製商品やプライベート・ブランドに多種類のチーズやワインを取り扱い、外資系企業を目的に来店する消費者のため、その特色も打ち出している。

成熟している日本市場へ進出するには厳しい環境であるにも関わらず、日本への進出意欲は依然として衰えておらず、今後も日本進出を予定している企業が複数ある(38)

小売業は、昭和30年代の流通革命により大手量販店が全国に普及した。その後、様々な業態を経るものの、基本的には国内資本企業が日本の消費者に接してきた。近年、小売業という典型的な地元密着型産業に、消費文化の異なる外資系小売業が参入してきている。

消費者にとっては、これを契機に小売業がさらに活性化し、商品の品質、特に安全性やサービスの向上などにつながるならば、企業の国籍にかかわらずメリットは大きいものと考えられる。

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