第1部 第2章 第3節 外資系小売業の日本進出 1.
1.外資系小売業の日本への進出
2000年に大店法(30)が廃止され、それに代わり大型店舗への規制を大幅緩和した大店立地法(31)の制定もあって、外資系小売業の日本への進出が相次いでいる。2004年現在では、世界小売業順位で10位以内(32)に入る企業の半数近くが日本への進出(33)を果たしている。外資系小売業の企業数(34)をみると、2000年度の43企業から2002年度は82企業と、ほぼ倍増している。
日本の小売業全体の販売額と外資系小売業の売上高をみると、2002年度は小売業全体が130兆8,120億円、前年比3.2%減と減少している。一方、外資系小売業は2001年度までは伸び悩んでいたが、2002年度には、1兆2,383億円、同110.2%増と大幅に増加している(第1-2-3(1)図)。これは、2001年度から2002年度にかけて日本に進出した企業の販売額が加算されたことによるものである。
外資系小売業の企業数を資本金別にみると、資本金1,000万円未満の企業数が2000年度から、2002年度にかけて急増している(第1-2-3(2)図)。これらの小規模な企業の販売額の増加に加えて、販売額の増加に大きく寄与したのは、資本金100億円を超える大企業がこの時期に参入したことによる。
このように、外資系小売業は、日本全体の小売業の販売額が減少傾向にあるなかでの参入であったと考えられる。