第1部 第2章 第1節 グローバル化に適応する地域の製造業 3. [事例3-8]

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[事例3-8] 株式会社V(大分県速見郡山香町)

プリペイドカード式AVシステムの開発・製造 他

[企業概要]

資本金98百万円、売上高2,446→2,794百万円(2001.12→2002.12)

[グローバル化への対応]

  • 海外から低コストの部品を調達する一方、海外企業から国内にない技術の供与を受け、低価格・高付加価値商品を開発し、国内での競争力を強化

プリペイドカード式AVシステム端末

ホテルや病院などで使用する業務用テレビ及びコンピュータシステム機器の開発・製造を行う。製造卸売主体の体制から、営業及びアフターフォロー体制を強化して、機器の直販・レンタルまでの一貫体制を構築したことから売上を伸ばしており、特にプリペイドカード式AVシステムにおける市場の20~30%のシェアを占めている。

海外展開の概要

チューナーやコンデンサなどの部品は、低コストで調達が可能なことから、マレーシアやシンガポールといった東南アジア諸国から仕入れを行っている。また、競争力の強化を目的に、特許や技術を持つアメリカやオランダの海外企業からライセンスの供与を受けるなど、低価格・高付加価値商品の製造を可能としている。

品質の維持に向けて

東南アジア諸国からの部材の調達は、低コストを実現する一方で、その品質保持が最大の懸案であった。重大な不良品の混入などに際しては、契約条項に基づき損害賠償を請求し、場合によっては業者を変更するなど厳正に対処する一方、指導を重ねることによる品質の向上にも努めている。

今後の展望

2003年に地上デジタル放送が開始されたことに伴い、デジタル放送に対応したシステムという新市場が出現している。V社では、数年前からシステム機器の開発に資材を投入しており、他社に先駆けて年内にも本格的に発売することを目指している。

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