第1部 第2章 第1節 グローバル化に適応する地域の製造業 3. [事例3-4]

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[事例3-4] 株式会社R(長野県東御市)

広幅インクジェットプリンタの製造 他

[企業概要]

資本金308百万円、売上高9,437→14,206百万円(2003.3→2004.3)

[グローバル化への対応]

  • 欧米に現地法人を設立するとともに営業を強化し、海外市場におけるシェアを拡大
  • 欧米以外の市場向けには低価格機種の投入を検討

広幅インクジェットプリンタ

厚物素材にも直接印刷が可能なインクジェットプリンタや段ボール・発泡スチロールなどの各種素材を自在にカットするカッティングプロッタ等の製造を行っている。ニッチ市場で高い技術力を背景に、数多くの特許を出願するなど、他社との差別化を図っており、2002年には、溶剤系(ソルベルト)インクにより、コーティング、ラミネートといった印刷前後の工程を省略し、低コストでの印刷を可能にした広幅インクジェットプリンタを開発した。これらの製品が国内市場を始め、海外市場でもヒットしており、売上が拡大している。

海外展開の概要

国内市場と比較して、市場が大きい欧米でのシェアの拡大を目指し、99年にアメリカに現地法人を設立するとともに、ヨーロッパでの営業を強化した。その結果、2004年3月期決算時における売上高に占める輸出比率は56.3%にまで達している。

2004年には、ヨーロッパ各国にある代理店戦略の一環として、オランダに現地法人を設立するなど、ヨーロッパ市場における更なるシェアの拡大を目指している。

一方、欧米以外の海外市場では、低価格機種のウェイトが大きく、中国製品や韓国製品のシェアが高くなっていることから、R社では、低価格機種を投入することも検討している。

今後の展望

今後の海外市場におけるシェアの拡大に伴い、売上高に占める輸出比率はさらに高まると予想している。また、新分野への取組として、石やプラスチック、繊維など素材を選ばない印刷技術を本格的に投入しており、印刷業界やアパレル業界に対する販売の強化も検討している。

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