第1部 第2章 第1節 グローバル化に適応する地域の製造業 3. [事例3-3]

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[事例3-3] Q株式会社(愛知県名古屋市)

各種精密歯車及び精密歯車製造機械の設計・製造

[企業概要]

資本金30百万円、売上高824→1,036百万円(2002.6→2003.6)

[グローバル化への対応]

  • 継続した職工育成による高い技術力と海外主要メーカーの半値という価格競争力
  • 海外展開に伴う売上の増加により経営が安定

主力の歯車研削盤

工作機械や自動車などに利用される各種精密歯車や工作機械用ギヤーボックス、変速機等の設計・製造及び歯車製造機械の製造・修理を主に行っている。

歯車製造機械の製造は、手作りによる部分が多く、技術習得が容易でないことなどから、大手工作機械メーカーが参入するほどのうまみがない、いわゆるニッチ市場となっている。

Q社が主力とする歯車製造機械は海外主要メーカーの約半分の価格で販売されており、高い技術力と価格競争力を背景にしたニッチ市場におけるオンリーワン企業となっている。

海外展開の概要

70年の設立当初は、国内市場で精密歯車の下請受注を行っていたが、売上は相手先企業の設備投資需要により上下し、不安定な経営を強いられていた。

このため、経営の安定化を図る目的で20年ほど前に、当時から台頭が予想された韓国・台湾を視察し、現地の商社を通じて精密歯車の受注を受けるようになった。韓国・台湾には精密歯車の加工技術がないことから、近年の現地での工作機械需要の増加に伴い、売上が増加している。

今後の展望

Q社は、海外事業は経営を安定化させるための補完的なものであるとして、国内での売上の確保を最優先としている。特に、歯車製造機械については、国内での受注が好調なことから、海外への販売は行っていない。

将来的には、技術力の向上が見込まれる韓国、台湾や精密歯車の需要拡大が予想される中国などに歯車製造機械を含めた自社製品を輸出することも検討している。

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