今回の景気後退は,その期間の長さ,落ち込みの深さなどの点でみて,戦後有数の景気後退となった。また,今回の景気後退局面は,バブルの崩壊と重なったこともあって,従来の景気後退とはかなり様相を異にする面があった。こうした「景気後退の厳しさ」と「景気後退の質的な違い」が景気判断や将来展望を難しくしている。こうした点からも,現時点で中期的な視点から,今回の景気後退の特徴点とその長期化した背景を整理しておくことが必要である。