はじめに

本年度の年次経済報告は,昭和62年度から最近に至るまでの我が国経済が構造変化を伴いつつ,対外不均衡を是正し,内需主導型成長を実現している姿を分析している。

本文は,第1章から第5章及びむすびから成り立っている。第1章では,62年度の経済動向をたどり,第2章では国際的な側面,第3章では産業の側面,第4章では国民生活の側面から,世界経済とのつながりのなかでダイナミックに変化しつつある日本経済の姿を技術革新や規制緩和と関連させつつ分析し,今後の課題を明らかにしている。第5章は内需主導型経済における民間需要の動向と財政金融政策の役割を取り上げ,むすびでは豊かな国民生活の実現と世界経済の発展を目指して,日本経済が進むべき基本的方向を明らかにしている。