昭和35年

年次経済報告

日本経済の成長力と競争力

経済企画庁


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日本経済の国際競争力と構造政策

産業構造政策への配慮

社会的間接資本の充実

 ここ数年のめざましい発展によって、我が国経済は著るしく規模の拡大をみせ、自由化に耐え、自由化によって一層の飛躍を望み得るまでに成長したのであるが、その過程において、電力、輸送力(道路、港湾、鉄道)、通信、用地、用水等の産業基盤の立ち遅れが問題とされるに至った。また、伊勢湾台風の経験は、治山治水、災害復旧など国土保全事業の重要性を再認識せしめ、現在その整備が改めて問題となっている。この他にも、住宅、ガス、上下水道、都市交通等の生活環境の整備も、重要な課題となっている。これらの諸施設を、便宜上一括して、社会的間接資本--(以下社会資本と略称する)--と呼ぶこととするが、その整備について、政府は、近年特に力を注いでいる。近く策定を予定されている国民所得倍増計画でも、社会資本充実の問題をとりあげ、計画の中心的政策の柱の主要な一つとして、検討を加えている。それは、我が国経済が、もう一廻りの成長を遂げ、中進国といわれる状態から抜け出すためには、所得水準で先進諸国に追いつくばかりでなく、社会資本の蓄積においても、先進国に追いつく必要があると考えられているからである。

 特に貿易、為替の自由化に伴い、国際競争に耐えるために企業の体質改善、合理化努力が強く養請されている現在、社会資本の立ち遅れによって、企業努力が阻害されることのないように配慮し、国民経済全体の生産力を高め、体質改善に努めることは一層重要であるといえる。

社会資本の現状--国際比較

 まず、我が国の社会資本の現状につき、国際的に比較しながら、その特色についてみてみよう。

一層の整備が必要とされる産業基盤

 第III-6-1表 は、電力、通信、鉄道の資産額と国民所得との比率につき、比較したものである。これによると、電力、通信、鉄道の3者を合わせた数字は、我が国38.5%、西ドイツ38.0%、アメリカ23.9%であって、我が国の比率が最も高い。内訳でも、鉄道について、西ドイツに劣るだけである。従って、これらの産業基盤は、国民所得との比較でみる限りでは、我が国はあまり劣っていないといえる。

第III-6-1表 電力、通信、鉄道資産額の国際比較

 しかし、その質や容量については、大きな立ち遅れがみられる。例えば、道路舗装率は、イギリス、西ドイツ、イタリアが10割、フランス8割弱、アメリカ6割であるのに、我が国は、1割に満たない。また、鉄道複線化率も、イギリス6割強、フランス、西ドイツ4割強、イタリア3割強にたいし、我が国は、1割強に過ぎない。このことは、一人当たり資産額が、我が国はアメリカの5.4分の1、西ドイツの3分の1に過ぎないことから、十分に伺われる。つまり、列車の本数は、我が国は、むしろ多いが、アメリカ、西ドイツは、ゆっくり座って旅行を楽しめるのに反して、我々は、立っていなければならないというわけである。

 次に、 第III-6-2表 によって、電力、通信、鉄道、道路に対する投資率についてみてみよう。

第III-6-2表 電力、通信、鉄道、道路に対する投資率の国際比較

 これによると、電力投資率は、我が国が2.9%で最も高く、アメリカ、西ドイツ、イギリスの2倍以上であるのに、通信、鉄道、道路の3者の投資率合計は、西ドイツ3.2%、アメリカ3.1%、我が国2.8%、イギリス1.6%であって、電力に比べるとき、我が国のより一層の努力が必要とされているといえる。四者の合計では、我が国の投資率が5.7%で最も高く、西ドイツ4.3%、アメリカ4.2%、イギリス2.8%の順である。ただし、一人当たりの投資額でみると、我が国は、アメリカの6分の1、西ドイツの2.4分の1、イギリスの2分の1といった低い水準にある。一人当たり国民所得がアメリカの10分の1、イギリスの4分の1、西ドイツの3分の1であることを考えれば、当然の結果であるが、追いつき追いこすためには、なお一層の努力を必要とするところであろう。

 以上、産業基盤については、国民所得との比較で一応の水準を保ち、投資率も比較的高いが、質や容量については、大きな立ち遅れを示しており、今後の一層の整備が必要とされていることが、我が国の社会資本における第一の特色といえよう。

立ち遅れの著しい生活環境施設

 生活環境施設の最も主要なものである住宅事情についてみてみよう。 第III-6-1図 は、各国の国富統計によって、総固定資産額中に占める住宅資産の割合をみたものであるが、我が国の住宅資産割合は、アメリカ、西ドイツ、カナダに比べて低い。これを国民所得との比率でみると、我が国は42.7%で、アメリカ、西ドイツの2分の1以下、カナダの1.5分の1以下となっている。一人当たり住宅資産額の比較では、この差はさらに拡大して、アメリカの15分の1、カナダの11分の1、西ドイツの7分の1となっている。これについては、気象条件の違い等による家屋構造の差も考えねばならず、実際には、数字に表れたほどの差はないものと考えられるが、それにしても、著しく貧弱であるといわねばならない。

第III-6-1図 住宅資産の国際比較

 また、我が国の住宅投資率(1958年)は、投資率一般が高いなかにあって、先進国に比べて低く、西ドイツ5.9%、アメリカ4.4%、イギリス2.6%に対し、我が国は2.3%である。このような住宅の立ち遅れに加え、我が国の上水道普及率は、4割5分で、イギリスの9割5分、アメリカ、西ドイツの8割、フランスの6割に比して低いこと、及び下水道普及率は、アメリカ6割に対し、我が国は5%にも及ばないことを考え合わせると、一般に我が国の生活環境施設の立ち遅れは、特に著しいといえる。国民生活の向上を、ある程度抑えても、生産力の発展をはからねばならなかった我が国の経済的宿命であるともいうべきであろう。

 生活環境施設の立ち遅れが特に著しいこと、これが我が国の社会資本の第二の特色である。

国土保全--我が国経済の負担

 治山治水、災害復旧などの国土保全事業は、人命及び国富を災害から防御するという、いわば受身的な面での働きを主としているが、多目的ダム--洪水調節と並んで、かんがい、発電、工業用水等の利水面での働きをかねている--の例にみられるように、積極的な面でも、大きな役割を果たしている。しかし、どちらかというと、直接に経済価値を生むというよりは、むしろ現在あるものを破壊から守るという面が強く、この点で、我が国は、一つのハンディ・キャップを負っていると考えられる。各国の実情がはっきりしないので、断定的なことはいえないが、中央政府の一般会計予算(1958-59年度)でみる限りでは、我が国は、総予算の2.7%を治山治水にさいているのに対し、アメリカは0.7%、西ドイツは0.1%、イギリスは、0.01%にしか過ぎない。また、 第III-6-2図 は、国民総支出に占める政府投資の割合を示すものであるが、我が国は、カナダを除く4国の2倍以上の水準で、相当高い。これに、一般会計予算について述べたような事情を勘案すると、我が国は他の国に比べ、国土保全事業に大きな力をさいているであろうことがある程度、推測される。

第III-6-2図 政府投資の国際比較

 我が国が東アジアのモンスーン地帯にあり、雨が多いうえ、南北に狭長で急流河川が多いこと、世界一の地震国であること等の国土的条件によるものであろう。

 国土保全事業に多くの力をさかねばならないことは、この国土に住む限り、やむを得ないことであり、民主安定のために是非必要なことであるが、資本蓄積の観点からすると、我が国の不利な点といってよかろう。国土保全のハンディ・キャップが大きいこと、これが我が国の社会資本の第三の特色であろう。なお 第III-6-2図 から明らかなように、我が国の政府投資の比率は大きい。国民総支出に占める政府投資、政府企業投資、公益企業投資の比率(1955年-57年平均)をみても、日本7.6%、イギリス6.8%、カナダ6.8%、アメリカ2.5%と我が国の比重は高い。これらの点からすると、断定的なことはいえないが、我が国の政府は、各国に比して、社会資本投資にも、大きな役割を果たしているといってもよいのではないかと考えられる。これを、我が国の社会資本の第四の特色といってよかろう。我が国の現状につきみると、 第III-6-3表 のごとくであって、政府の役割は大きい。

第III-6-3表 社会資本投資に占める財政資金の割合

 すなわち、住宅、電力、通信、鉄道の建設資金に占める財政支出や財政投資額の比率は、20%前後とかなり高い。道路、港湾、河川、砂防、治山、海岸、災害復旧等は、年々15%前後の大きな増加を示している。なかでも、道路、港湾は4年間に2倍以上の大きな増加をみせており、政府の努力の向うところを示している。

社会資本充実の道--着実な努力

 以上、我が国の社会資本の現状と特色とにつき、みてきたのであるが、結局、経済の後進性が、社会資本の上にも色濃く現れているといえよう。戦争による影響も大きく社会資本についても、その充実をはかり、先進国に追いつき追いこすための大きな努力が必要とされている。その中でも道路、港湾等の産業基盤は、経済成長と関連する度合いが強く、その立ち遅れが著しいと、経済成長の制約条件となる恐れがあり、その整備の重要性は、特に大きい。経済の高度化は産業基盤についても、その高度化を要求しているのであり、今後は、量的拡充と並んで、質の改善が重要であるといわれる。

 住宅などの生活環境施設は、産業基盤の場合よりも、一層立ち遅れが著しく、それを取り戻すには、一層大きな努力が必要とみられる。生活環境施設は、産業基盤の場合ほど、経済発展と密接に関連してないが、国民の生活、福祉に、より密接に関連しており、労働生産性向上の前提条件になるものであって、その重要性は、産業基盤に劣るものではない。しかし、なによりもまず生産的資本の蓄積に努め、できるだけ速やかな経済成長を図ろうと努力してきた我が国の場合、経済成長に、より密接なつながりをもつ産業基盤の整備に比べ、生活環境施設に立ち遅れがみられるのも、ある程度やむを得ないことであると考えられる。今後は、我が国の経済も次第にその規模を大きくしていくことと考えられるから、生活環境施設はの投資を次第に増し、その遅れを取り戻す必要があろう。それにより、いわゆる健康で文化的な生活の基礎を作ること、これが経済成長の最終目的達成の途なのである。

 国土保全事業は、既にみたように、経済的観点からにみみることのできない面を持っている。また、これで十分であるといった限界のあるものではなく、不断の努力が必要とされている。その整備にあたっては、個々のケースについて、できるだけ合理的な計画をたて、段階的に、しかも重点的にその完全をはかっていくように努めるべきであろう。この事業の特殊性から、経済的にはっきりした事業効果を測定することは困難であるが、将来合理的な事業効果の把握がなされるようになり、この面から一層効率的な投資がなされるようになるのが望ましい。国土保全事業については、我が国のハンディ・キャップを、少しでも軽くするように、効率的な投資が特に望まれているのである。

 以上述べたような、社会資本の整備、拡充自体については、異論がないであろう。

 社会資本の蓄積は、必要であり、望ましいことである。しかし、社会資本のみが資本投下を必要としているのではない。それは国民経済の各部門に、我が国の乏しい資金や資材をどう配分するか、成長率との関係をどうするか、財政の規模、税負担、各支出項目間の配分をどうするかといった全体のバランスを考えずに強行することはできない。当然のことながら、国民経済全体の最も効率的な発展という観点を見失うことがあってはならないのである。また、社会資本投資自体についても、最小の資金で最大の効果を発揮できるように、事業別、地域別に常に検討を加え、必要な修正を施すべきである。

 社会資本の蓄積にも、捷径はない。まず、国民所得の増大に力を尽し、その過程で、全体とのバランスを考えながら、効率的に、着実に蓄積を増やしていくほかなかろう。

産業基礎への業種別依存度

 次に、見方をかえて、どのような産業が産業基盤に依存する度合いが大きいかをみ、それによって、今後の産業基盤投資のあり方を探ってみよう。

 第III-6-4表 は、産出額ベースの各産業の平均資本係数と電力、運輸、通信、用地、用水などの産業基盤について、平均資本係数的考え方を適用して試算した数値とを比較したものである。電力、運輸、通信については、産業連関表に基づいて試算したため、例えば、自家用車による輸送分は、あらわれていないといった不都合はあるが、大体の傾向は、知ることができよう。また、用地、用水は、時価で評価したものである。

第III-6-4表 産業基盤への業種別依存度

 これによると、電力資産については、鉱業、パルプ・紙・紙加工品製造業、化学工場、窯業・土石製品製造業などの依存度が高く、鉄工業、飲食店・サービス業がこれについでいる。運輸資産については、石炭・石油製品製造業、公共事業、窯業・土石製品製造業が高く、電力業、化学工業がこれについでいる。通信資産では、印刷出版業、飲食店・サービス業の依存度が大きい。

 用地では、電力業、窯業・土石製品製造業、化学工業の数値が大きく、パルプ・紙・紙加工品製造業、鉄鉱業、繊維工業がこれについでいる。用水では、電力業、パルプ・紙・紙加工品製造業、化学工業が大きく、食料品製造業、窯業・土石製品製造業、繊維工業なども大きい。

 これを産業別にみると、農林水産業は、資本係数は高いが、産業基盤への依存度は低く、鉱業は、自らも多くの有形固定資産を使用すると同時に、産業基盤にも大きく依存している。製造業では、資本係数の高いものほど、産業基盤への依存度も高いという大体の傾向が伺える。パルプ・紙・紙加工品製造業、繊維工業、機械製造業は、この傾向と違っている。パルプ・紙・紙加工品製造業の産業基盤への依存度は高いが、資本係数はそれほどではなく、機械工業はその逆である。繊維工業は、用地、用水への依存度が大きいためである。

 電力業、公共事業の産業基盤依存度は比較的大きく、運輸業は小さい。飲食店・サービス業は、電力や通信への依存度が比較的大きいという特色を示している。

 以上の結果、まず第一に、第一次産業(農林水産業)の依存度の低いことから、第二次産業の比重を高めようとする我が国の努力は、社会資本の一層の整備を必要とするということが推論できる。

 次に、第二次産業のうちでは、鉱業、パルプ・紙・紙加工品製造業、石炭・石油製品製造業、化学工業、窯業・土石製品製造業などの原材料供給部門の依存度が高く、印刷出版業、ゴム・皮革製品製造業、機械製造業などの依存度は低い。

 このことから、機械工業化への途は、産業基盤をあまり必要としないという点からも、望ましいようにみえる。しかし、機械工業の発展には、当然にその原材料供給部門の発展を必要とするのであり、機械工業だけを取り出して考えることはできない。

 第三に、電力業、公共事業の依存度が高いことから、産業基盤や、生活環境施設、国土保全施設を整備するための努力そのものが、一層多くの産業基盤を必要としていることがわかる。

 要するに重化学工業化によって、経済の高度化をはかり、これとともに社会資本の整備・充実をはかろうとする我が国経済の今後の動きは、電力、運輸、用地、用水などへの依存度をますます高める方向にあり、産業基盤整備の必要は、今後、一層大きいといえる。

社会資本投資の需要効果

 以上の検討から明らかなように、経済の発展とともに社会資本は一層の充実を必要とされているのであるが、これはいわば社会資本の生産的な側面といえよう。一方社会資本は、その投資によって大きな需要を生み出すという別の側面も持っている。例えば公共事業によって雇用される労務者数や使用される資材の料がどの程度であるかをみると、 第III-6-5表 のようになる。

第III-6-5表 公共事業の雇用、資材需要効果(総事業費1,000億円当たりの雇用・資材需要量)

 これによると、治山治水、農業基盤整備、災害復旧などの工事は雇用吸収効果が顕著で、また木材等(ここに出ていないが砂利、石材も多く使用する)に対する需要が大きいのに対して、道路、港湾などの工事は、雇用効果はあまり大きくないが、鋼材やセメントなどの基礎資材に対する需要効果が大きいことがわかる。

 これは直接の効果であるが、このようにして新たな投資が行われれば、当然資材に対する需要、さらにその投資材を生産するための原材料の需要というように波及する需要を生み、各産業における生産、輸入、雇用の増加をもたらす。乗数効果による消費支出の増大や加速度効果的な誘発投資をも含めれば、需要効果はさらに大きくなるだろう。以下このような社会資本投資の需要効果について若干の分析を試みよう、なおデータの関係から、ここでは政府の固定資本形成と建設投資の中の住宅、道路、電源開発、河川砂防、災害復旧とをとり上げて、産業連関分析による試算を行うこととした。

 まず 第III-6-6表 は各々の投資1,000億円当たりの需要効果をまとめたもので、政府の固定投資は民間投資に比して鉱工業西山に及ぼす影響が小さい。これは建設投資のウェイトが高いためで、建設業も含めて、全産業の生産額に及ぼす効果をみると、両者はほぼ匹敵している。また雇用効果は大きく、輸入を誘発する度合いは小さい。建設投資の中では、住宅、電源開発が生産に及ぼす力が大であり、雇用効果は特に住宅の場合に高い。

第III-6-6表 投資1,000億円当たりの需要効果

 次にこうした投資が産業別の生産にどのような影響を及ぼすかを 第III-6-7表 によってみよう。固定資本形成依存度とは、30年当時において各産業の生産が直接間接にどの程度固定資本投資に支えられていたかを示す比率である。需要面で政府投資に対する依存度の高い産業は、建設業、窯業、製材・木製品工業などであり、鉄鋼、非鉄金属、機械、鉱業(特に非金属鉱業)などもかなり依存度が高い。こうした依存度による表現は、支出金額の大小の影響を含むので、支出金額単位当たりとしてみたのが、表の右側に示した数字である。これによると、建設が、民間投資と比べて、政府投資から受ける影響が大きい点が目立っている。この他民間投資よりも、政府投資に多く依存する産業としては、窯業、製材・木製品等、鉱業、運輸・通信などである。建設投資のうちでは、住宅は特に製材・木製品業に、道路、河川砂防及び災害復旧は鉱業、窯業に、電源開発は鉄鋼、非鉄金属にそれぞれ大きな影響を及ぼすことがわかる。

第III-6-7表 社会資本投資による生産誘発効果

 以上、非常に限られた分析に過ぎないが、需要面からみた社会資本投資の特性--その事業別の特性も含めて--をみてきた。今後、この面の研究が一層すすめられて、社会資本投資に際し、需要面からも合理的な配慮が加えられてゆくことが望ましい。やがて、経済が十分な供給余力をもち、輸入をあまり誘発せずに、雇用を高める必要が生ずるようになっていく際には、社会資本投資の需要面での特性--産業設備投資と比べ、雇用効果は大きいが輸入の誘発は少い。鉱工業生産に及ぼす力は小さいが、直接生産能力を生むことはない。--に期待することが、次第に大きくなっていくと考えられるのである。

 以上、社会資本の国際比較、産業基盤への業種別依存度、社会資本の需要効果についてみてきた。この他にも、論ずるべき問題は多い。白書では、第2部6建設、9交通通信、第3部3-7輸送部門の近代化の努力、3-8工業の地方分散化などで、それぞれ詳しく個別的問題をとりあげている。


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