第2章 デフレ脱却に向けた動き
第1章で分析したように、経済再生に向けた「三本の矢」が実行される下で、我が国の実体経済に好循環の動きが出始めている。こうした動きを強化し、民需主導の持続的な経済成長につなげていくためには、まず、長期にわたるデフレから早期に脱却することが重要である。そこで、本章では、デフレ脱却に向けた動きを点検する。まず、物価動向に関して、持続的な物価下落が止まり、デフレ状況ではなくなった過去の局面との比較を中心に、その特徴を明らかにする。次に、デフレ脱却のために重要な鍵となる賃金動向を、企業収益や物価との関係に焦点を当てて分析する。最後に、金融政策のレジーム転換を受けた金融市場や貯蓄投資行動の変化を確認する。