平成16年度「日本経済2004」創刊にあたって

景気が2002年1月に底を打って以来、日本経済は民間需要主導の回復傾向が続いています。2003年後半から2004年初めにかけては、海外経済の急速な回復や比較的高い投資や消費の伸びに支えられて景気回復の勢いが増していく動きがみられました。その後は、海外経済の減速などの影響により成長の勢いはやや鈍化しましたが、企業収益が増加し、それが雇用の改善を通じて消費にも好影響を及ぼすという景気回復の基調に大きな変化はみられません。

一方で、世界的な原油価格の高騰や半導体などIT関連財における微調整の動きなど、経済環境を取り巻く環境は絶え間なく変化しており、こうした動きについてのタイムリーな分析が求められているところであります。

内閣府経済財政分析担当では、目まぐるしく変化する経済状況についてタイムリーな分析を行い、月例経済報告や「今週の指標」などで明らかにしてまいりました。本報告は、こうした日頃の分析を基礎とし、これに新たな分析を加えて、「年次経済財政報告」(平成16年7月)公表後の日本経済の現状についてタイムリーな分析を提供するために創刊することといたしました。

本報告が、経済財政政策の形成に関する実り多い議論のための素材を提供することができれば幸いです。

平成16年12月

内閣府政策統括官
(経済財政分析担当)
大田 弘子