第5章 地域別の人口・経済データ
コラム(人口・経済データで特徴のある市区町村)
【石川県川北町】
普通出生率とは、市区町村ごとの年間出生数を、人口総数で除して算出した、人口1000人当たり出生数のことを指す。なお、出生数は、人口規模の小さい自治体の出生数の短期的な影響をならすため、1980年、1990年、2000年、2010年の前後5年間の平均出生数を使用している。地域ごとの普通出生率の平均は低下を続けており、1980年13.0人、1990年9.6人、2000年8.4人、2010年7.3人となっている。1980年から2010年にかけて人口指標が伸びた市区町村は、15ある。その中で最も経済指標が高いのは石川県川北町である。
川北町は1980年に川北村が町制施行し、誕生した。加賀平野のほぼ中央部に位置し、霊峰白山を源とする手取川の右岸に沿って開かれた町で、手取川がもたらした肥沃な土地と、豊かな水資源に恵まれていたことから県内有数の穀倉地帯として発展してきた。1983年以降農業を中心とした施策から転換し、工場を誘致する施策を進め、大型ショッピングセンター等も誘致した。事業所・企業統計調査、経済センサス-基礎調査による町内の事業所数は1975年に154であったが、2009年は309となり約2倍に増加している。
毎年8月に開催される「川北まつり」は、今では北陸の夏の風物詩として定着している。祭りの会場では約2,000人を超える住民の「送り火」が照らし出され、メインの高さ46mの「大かがり火」に火が点火されると、天をも焦がさんばかりに赤々と燃え上がり、それとともに打ち鳴らされる町内17地区の「虫送り太鼓」の華麗なる競演でまつりは最高潮を迎える。町の特産品としては、1789年からすかれている「加賀雁皮紙」や、豊かな大地に育まれた「いちじく」、「地ビール」などがある。
2010年国勢調査における産業別就業者数及び構成比をみると、第一次産業177人(5.7%)、第二次産業1,168人(37.4%)、第三次産業1,774人(56.9%)と第二次産業の割合が高くなっている。
人口総数の推移をみると1980年4,256人、1990年4,554人、2010年6,147人となっており、20年間で人口が約1.4倍となっている。
川北町では、不妊治療費助成などの町独自の子育て支援施策を行っており、少子化の歯止めに一定の効果があると考えられる。
燃え上がる大かがり火を背に虫送り太鼓の一斉乱打で祭りはクライマックスを迎える。
美味しいサツマイモを沢山収穫しました。子どもたちとサツマイモ、どっちが多い?