第5章 地域別の人口・経済データ

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コラム(人口・経済データで特徴のある市区町村)

【和歌山県古座川町】

都市部から離れた山間部の自治体では、過疎化による人口の減少に伴い、地域産業の衰退が進むことが多いため、人口指標と経済指標がともに低い傾向にある。和歌山県古座川町は2010年の人口指標は3.9、経済指標が40.5であり、他の山間部の自治体と同様にそれぞれの指標は低位である。しかし、1980年の人口指標は6.5、経済指標は40.5であり、1980年を基準とすると2010年の人口指標は59%まで低下しているものの、経済指標は97%であり、ほとんど低下していない。

古座川町は和歌山県南東部に位置し町の最北にそびえる紀伊半島南部の最高峰、標高1,121mの大塔山に源を発する古座川が町の中央を流れ、役場が所在する高池地区は古座川河口域に位置し、大半の集落は川沿いの狭小な耕地に散在し、町を形成している。町面積の約96%が森林で、気候は一般に温暖多雨で樹木の育成に適しており、良質な古座川材の産地として古くから知られている。

古座川町の特産品には、気候風土が適している事から良質の柚子が産出され、ゆず加工品の販売も行われており、山間部ではシキミやビシャゴなどの花木、紀州備長炭、日本ミツバチの蜜などがある。林業については、優良な古座川材の産地として生産及び経営の近代化を図るため林道網に努め、間伐促進や特殊材、特用林産物の生産を進めている。

2010年国勢調査における産業別就業者数及び構成比をみると、第一次産業137人(12.3%)、第二次産業174人(15.6%)、第三次産業806人(72.2%)、となっており、全国値と比較して第一次産業がやや高く、第二次産業がやや低い状況である。

特産品のユズについては、有志の加工グループから始まった「農業組合法人 古座川ゆず平井の里」が生産から加工・販売までを行う6次産業化を実現している。組合員の半数以上は女性であり、特に加工販売部門では女性の力で運営、商品開発、広報、販路開拓を行っている。また、廃校となった中学校の跡地を活用した道の駅「瀧之拝太郎」は、農産物直売所だけでなく、診療所や町役場出張所、集会所など暮らしに必要な機能を集約することで「小さな拠点」としての機能を果たしている。

1 一枚岩
国指定の天然記念物に指定されている、高さ100メートル・幅100メートルの一枚の大きな巨岩。
一枚岩
2 古座川ダッキー
カヌー型ゴムボート「ダッキー」で日本屈指の清流古座川の自然を楽しめる。
古座川ダッキー
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