第1章 新型コロナウイルス感染症の影響と日本経済 第3節

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第3節 感染症の経済への影響と今次景気循環の検証

今回の感染症の経済的影響は、過去の感染症流行や自然災害、経済危機と比べても規模が大きく、様々な波及経路を通じて、我が国経済を下押ししたが、これは、2012年11月以降の景気拡張局面が終わったことも意味している。そこで本節では、2020年7月に景気基準日付上の暫定の山が設定された経緯を振り返りつつ、今次の景気循環局面の動きを検証する。

1 景気循環の局面判断とその指標

政府の景気判断である月例経済報告では、景気の基調は、2020年2月までは緩やかな回復が続いているとの判断を示してきた33。しかし、最近発表された景気基準日付では、2018年10月が第16循環の暫定的な景気の山であったとされた。この景気基準日付は、景気動向指数研究会での議論を踏まえて内閣府経済社会総合研究所長が設定しているが、この局面判断と政府の景気判断の間には違いがある34。ここでは、その違いの原因を探りつつ、景気の定義や見方、現行の景気動向指数の特徴、さらには異なる動きをする経済指標の動向について整理する。

2018年10月の景気の山の暫定設定と景気動向指数の課題

2020年7月30日に開催された第19回景気動向指数研究会では、景気の山の暫定設定等について議論が行われた。その場では、従来のルールに基づき、景気動向指数のCI一致指数の構成系列から作成されるヒストリカルDIの動きから、2018年10月を景気の山の候補とした上で、これが、「波及度」、「量的な変化」、「期間の長さ」の3つの判断基準を全て満たしていることが確認された35

一方、同研究会では2018年10月以降、2019年7-9月期頃までは、全体としての景気変動の方向性がつかみ難い状況が一年近く継続するなど、これまでの景気循環とは異なる特徴がみられたことも確認された。確かに、CI一致指数と実質GDPの推移を重ねると、過去の景気循環では両者の動きはおおむね一致していたが、2018年10-12月期以降は、CI一致指数が低下を続けるなかで、実質GDPは2019年7-9月期まで増加しており、持続的なかい離が生じている(第1-3-1図)。

こうした関連統計間での不整合な動きがみられるものの、同研究会においては、議論の結果として、景気の転換点の判定にあたり、「その手法に変更を加えたり、それとは異なる指標を重視したりすることは、判定の中立性や継続性を確保する観点から問題」であるとして、「従来から用いている手法に則り、ヒストリカルDIが示す2018年10月を、景気の暫定的な山に設定することが妥当」と結論付けた。ただし、研究会でも指摘されたCI一致指数と実質GDP等のかい離は、現行のCI一致指数が景気変動を捉えきれていない可能性を示唆している。そのため、同研究所では、景気の山の暫定設定と同時に、「同研究会で示された意見、問題意識等を踏まえ、今後、同研究会委員等専門家の協力を得ながら、景気動向指数及び景気基準日付の判定手法の見直しについて検討を行っていく」ことも決定した(第1-3-2図)。

景気を測る物差しは一様ではない

今回の景気基準日付の決定は、景気を量的に観測することの難しさを物語っている。そもそも観測対象である景気とは何か。この点を押さえておくことは、今後の景気動向指数の見直しを進める上でも有益だろう。一般的な経済用語の辞書によると、景気とは、「経済の生産、売上、在庫、価格、利益、雇用などの多くの分野にわたって、同じように上昇したり下降したりする状況」と定義される36。すわなち、経済の多分野における共通変動が景気変動である。こうした見方は、アメリカの景気基準日付を定めているNBER37も念頭に置いており、その点については我が国も同様である。同機関は景気後退の定義を示しているが、それによると、「経済活動の顕著な落ち込みが経済全体に拡がって数か月継続し、実質GDP、実質所得、就業者数、鉱工業生産、卸小売販売において顕在化する」とされている。また、同機関は、景気基準日付を決定するに当たっては、経済全体に渡る経済活動の指標を重視するとし、中でも実質GDPを総合的な経済活動をみるただ一つの最良の指標とみなし、さらに、四半期指標である実質GDPに加え、月次指標では、<1>実質可処分所得、<2>雇用者数、<3>鉱工業生産、<4>卸小売販売量を重視するとしている38

こうしたNBERが重視する経済指標を一つの参考として、我が国の景気局面を確認しよう。そのためには、アメリカのコンファレンスボードが作成している我が国の景気一致指標(coincident economic index)を参照することが便利である。その理由は、同指標の構成系列がNBERが重視する経済指標に沿って選定されているからである。内閣府経済社会総合研究所のCI一致指数(以下「ESRI型CI」という。)と、コンファレンスボードの景気一致指標(以下「CB型CI」という。)を比較すると、構成系列の割合は、ESRI型CIが、供給面40%、雇用・所得面30%、需要・販売面30%、CB型CIは、供給面25%、雇用・所得面50%、需要・販売面25%となっている(第1-3-3表)。すなわち、ESRI型CIは供給面のウエイトが大きく、その四つの指標がいずれも財の生産・出荷に関するものであるため、言い換えれば、製造業の動きを示す指標のウエイトが大きいといえる。また、CB型CIは、全産業をカバーする雇用・所得面のウエイトが大きい。さらに、雇用・所得面の系列をみると、ESRI型CIは、所定外労働時間、営業利益、有効求人倍率と、生産活動の変動を敏感に捉える限界的な系列を揃えているのに対し、CB型CIは、就業者数に実質賃金と、マクロの所得を分解した形となっていることも特徴的である。

次に、異なる構成系列を持つ2つのCIが、指数の動きとしてどのような違いを持つのか確認しよう39第1-3-4図(1))。まず2つのCIと実質GDPの動向を併せみると、今次の景気循環では、CB型CIの方が、ESRI型CIよりも実質GDPと整合的に推移している。特に、景気の山(暫定)である2018年10月以降、ESRI型CIが低下を続ける一方、CB型CIは2019年7-9月期まで底堅く推移するという違いがある。同年10-12月期以降は、いずれのCIも低下している。

両者の違いをヒストリカルDIでみるとどうだろうか。ESRI型CIの構成系列によるヒストリカルDIは、研究会でも取り上げられたとおり、2018年11月に50%を下回り(過半の系列が下降トレンド)、その後、2019年6月には0%に到達した。これにより景気後退の動きが広範囲に波及したとみなされ、50%を下回る直前の月である2018年10月が景気の山とされた(第1-3-4図(2))。一方、CB型CIの構成系列によるヒストリカルDIでは、水準が50%を下回った時期は、ESRI型よりも1年程度遅く2019年10月であり、かつ2019年12月までは40%の水準を維持していた40。40%のヒストリカルDIであれば、景気後退の動きが経済の広範囲に波及したとはみなされない。しかしながら、その後は、感染症の影響により、CB型のヒストリカルDIも2020年1月以降は20%に低下した(第1-3-4図(3))。なお、2つのヒストリカルDIの過去の推移をみると、2001年頃及び2008年頃の景気後退については同じような動きを示しており、両者にかい離はみられない。他方、2012年頃の景気後退については、CB型では2011年3月の東日本大震災による景気の下押しから2012年半ばにかけて緩やかに上昇する姿となっており、ここでも動きに違いが生じている。

CIの動きは構成系列によって大きく左右される

このように、今次の景気循環においては、構成系列の選択によって景気動向指数の示す景気変動の姿は大きく変わることがわかった。次に、この違いを生み出した要因を探るべく、2018年以降の2つのCIと主要なマクロ経済指標の動きを確認しよう(第1-3-5図)。

2018年後半以降、海外経済が減速するなかで、輸出数量指数とその影響を受けやすい製造業の生産(鉱工業生産指数)は低下しており、製造業の動きを示す指標のウエイトが高いESRI型CIはこれらの動きに沿ったものとなっている(再掲第1-3-3表)。一方、この間も、雇用者報酬は底堅く推移し、その下で、個人消費や、さらにはその影響を受けやすい非製造業の生産(第3次産業活動指数)は、2019年7-9月期まで増勢を維持していた。このように、2018年後半以降の我が国経済は、外需が弱く内需が堅調、製造業の生産が弱く非製造業の生産が堅調というデカップリングの状態に長らくあったが、経済全体の動きを示す実質GDPは、内需の強さが外需の弱さを上回ったことで、2019年7-9月期まで増加傾向で推移した。CB型CIは、こうした実質GDPの動きにより連動したものとなっている。

過去の景気循環においては、ESRI型CIが敏感に捉えている外需や製造業の弱さは、内需や非製造業への波及し、実質GDPもほどなく減少に転じていたため、両者は連動していた。また、早めに景気変動の転換点を見極められる系列を重視することには妥当性もあったが、今次の景気局面では従来のパターンが当てはまらず、実質GDPとESRI型CIのかい離を生む要因となった。このことは、第16循環の景気拡張局面において、経済変動の波及メカニズムに何らかの構造的な変化が起こっていたことを示唆している。詳しくは次項で記すが、ここまでの検証により、次の3点について指摘することができる。第一に、景気判断において景気動向指数は有益なツールであるが、その動きは構成系列によって大きく左右されることから、より幅広い指標を観察する必要がある。第二に、より広い指標を観察する必要はあるものの、過去から現在までの景気変動を一貫して捉えるためには、供給面、雇用・所得面、需要面といったグループごとに、その変動を十分に捉えることのできる代表性と、循環変動を的確に反映できる頑健性を持った指標によって景気動向指数を構成することが必要である。第三に、経済の全体的な動向を捉えるという面からは、系列の選定を行う際に、実質GDPとの連動性の高さは一つの検証事項となり得る。今後の景気動向指数の見直しに当たっては、こうした点を踏まえることが重要である。

2 今次景気局面での経済の構造変化

前項において、過去の景気循環ではみられなかった景気動向指数と実質GDPの動きのかい離が2018年後半以降にみられたこと、また、その直接の原因は長期化した内需と外需(あるいは製造業と非製造業)のデカップリングにあったこと、さらに、こうしたデカップリングの長期化をもたらした経済の構造変化が今次景気局面では生じていたことに触れた。本項では、その構造変化の内容について点検する。

長期的なデカップリングを生じさせた背景に外需の減少ペースの緩やかさ

はじめに、内需と外需のデカップリングがなぜ長期化したかについて考察する。通常、外需の弱さは、輸出減少を通じて、生産を減少させるとともに企業収益を悪化させ、設備投資の下押し要因となり得る。また、生産や企業収益の減少が起これば、雇用や賃金への悪影響を通じて個人消費も下押しされかねない。ところが、2018年後半以降、感染症の影響を受ける前の2020年初めまで、我が国経済は、外需が振るわないなかで、内需は、2019年10月の消費税率引上げ等に伴う振れを伴いながらも、緩やかな持ち直しを続けた。これを可能にした今次景気循環(第16循環)の特徴を過去の景気循環との比較で詳しくみてみよう。

ここでは、今回と過去3回の景気循環について、それぞれの景気の山を基準期として指数化し、基準期前後1年間の動向を比較する。まず、企業部門について確認すると、以下の特徴が指摘できる(第1-3-6図)。第一に、今回の循環は過去と比べ、景気の山以降、4四半期が経過する(2019年10-12月期)までの間、輸出の下落ペースが緩やかなものにとどまっていた。アメリカのITバブル崩壊や、リーマンショックといった需要を急激に縮小させる経済ショックに見舞われた第 13 循環や第 14 循環とは対照的である。第二に、輸出の影響を受けやすい製造業生産の減少も、過去の動きと比べれば緩やかなものにとどまり、企業収益(営業利益)も底堅く推移していた。過去の景気循環では、輸出の減少が、生産を減少(=設備稼働率を低下)させるとともに企業収益を下押しすることで、設備投資の抑制につながっていた。しかし、今回の局面では、企業収益に余り波及しなかったことで、設備投資は、景気の山の後も2019年7-9月期まで増勢を維持していた。

国内では需要・供給・分配を巡る自律性の高い循環が存在

同様に、家計部門について確認すると、次の特徴が指摘できる(第1-3-7図)。第一に、雇用の前提となる生産活動は、輸出の影響を受けやすい製造業の生産(鉱工業生産)の減少ペースが緩やかなものにとどまる一方、非製造業の生産活動は2019年7-9月期まで緩やかな増加を続けていた。非製造業は相対的に海外経済の影響を受けにくいが、第13循環時には景気の山から1四半期後から、第14循環時には景気の山の直後から、活動指数は低下していた。こうした非製造業の増勢継続は企業収益の底堅さにも寄与した。第二に、雇用吸収力のある非製造業の生産活動指数が上昇する中で、今回は雇用者数の増加が続いており、その結果、雇用者報酬の増加も続いた。過去の循環では、例えば、第13循環では、生産の低下に伴い雇用者数も減少していた。また、景気後退期間が短く、雇用者数が減少しなかった第14循環でも、雇用者報酬は減少していた。第三に、こうした雇用者報酬の動きが支えとなり、今回の個人消費は、景気の山の後も1年間にわたって持ち直しの動きが続いた。過去の循環では、例えば、第13循環では、当初は個人消費も増加していたが、雇用者報酬が減少するなかで減少に転じた。

以上を踏まえると、第一に、外需の減少ペースが景気を一気に冷え込ませるような急激なものではなかったこと、第二に、外需の影響を受けにくい非製造業の堅調さが企業収益や雇用・所得環境といった我が国のファンダメンタルズを支えていたこと、が指摘できる。非製造業の堅調さが雇用・所得環境の改善をもたらし、雇用・所得環境の改善が個人消費を支え、そして個人消費の底堅さが非製造業を中心に生産を支えるという、自律的な経済の好循環が機能していた面がうかがえる。

自律性の高い循環を生み出した労働参加の拡大

こうした自律性の高い経済循環を支えたのは、就業者数の増加である。我が国は人口減少局面に入っており、15歳以上人口も減少しているが、2012年以降、消費需要が底堅いなか、人手不足の状況下で、労働参加率が上昇することで就業者数は増加してきた(第1-3-8図(1))。労働参加率は、感染症の影響を受ける前の2020年初めまで上昇を続けた。就業者数の増減を性別・年齢階層別にみると、64歳以下の男性就業者は、専ら該当する人口数の減少により、増加していない。それに対し、64歳以下の女性就業者は、男性と同様に該当する人口数は減少しているが、労働参加率の上昇によって増加している。また、男女あわせた高齢(65歳以上)の就業者は、人口数が増加しているだけでなく、労働参加率の上昇により増加している(第1-3-8図(2))。

第16循環は人口減少局面での経済成長の一つのモデルを示す

こうした女性や高齢者の就業者が増加したことは、一国全体の所得の増加につながる。景気拡張局面ごとの実質雇用者報酬の平均伸び率を比較すると、2000年以降の景気循環では、今回は第13循環と並んで高い伸びを示している(第1-3-9図(1))。今次の景気拡張局面が、第13循環と異なり人口減少局面であったにもかかわらず、また、消費税率の引上げが2回実施され、物価上昇も相応に起こっているにもかかわらず、実質雇用者報酬は相対的に高い伸びを示したことになる。

また、女性や高齢者の就業者が、外需の影響を受けにくい非製造業において増加したことは、結果として、海外経済が減速するなかでの雇用・所得面の安定的な成長をもたらした面もある。64歳以下の女性の就業は、高齢化が進む中で医療・福祉が雇用の受け皿となっており(第1-3-9図(2))、高齢者の就業は、それまでの職務経験で培ったスキルに基づいて就労することが多いと考えられることから、幅広い業種が受け皿となっている様子がうかがえる。(第1-3-9図(3))。

さらに、今次の景気循環局面は、15歳以上人口が減少していたこともあり、成長に伴う人手不足の程度も大きかった。これまで労働参加率の低かった女性や高齢者の就労を促進する企業や政府の取組による後押しもあり、新たに労働市場に参入する者が増えるという構造変化が生じていた。こうした新たな労働力は非製造業を中心に就労し、そのことが、海外経済減速する中でも、所得、消費、生産、雇用増、そして再び所得増へとつながる自律性の高い好循環をもたらしたと考えられる。

現在までのところ、我が国経済は感染症の影響により厳しい状況に置かれているものの、4、5月の緊急事態宣言が解除されて以降は、個人消費を中心に持ち直している。海外経済の改善に伴う輸出の増加から生産と雇用へのプラスの効果を期待しつつも、世界的な感染症の動きによる不確実性が高いことから、当面、内需主導による回復を目指すことが現実的である。それが可能となるかどうかは、感染症の影響が顕在化する前までにみられていた、こうした自律的な循環を再び取り戻せるかどうかにかかっている。


(33)政府の景気認識を示す「月例経済報告」では、2020年2月まで、海外経済の減速を背景に輸出を起点とする弱さはあるものの、景気全体としては緩やかな回復が続いているとの判断を示していた。
(34)「景気動向指数研究会」とは、幅広い観点から景気転換点の設定や景気動向指数のパフォーマンス等について議論するため、経済社会総合研究所長の研究会として開催される有識者会議である。
(35)景気の山判定方法は、次のとおり。CI一致指数の構成系列によるヒストリカルDIが50%を下回る(過半の系列が下降トレンドとなる)直前の月を山の候補とした上で、次の<1>~<3>の判断基準をすべて満たしているかを確認する。
<1>波及度:ヒストリカルDIが0%近傍まで下降したか
<2>量的な変化:CI一致指数の下降が過去の参照すべき後退局面のうち下降が小さかった例と同等以上か
<3>拡張・後退期間の長さ:1局面(谷から山、山から谷)が5か月以上、1循環(谷から谷、山から山)が15か月以上経過したか。
(36)金森久雄・荒憲治郎・森口親司(2013)を参照。
(37)NBER(National Bureau of Economic Research)は、アメリカの民間非営利機関。2020年6月8日にも、同国が同年2月(四半期では2019年10-12月期)に景気の山を迎え、それ以降、景気後退局面にあることを発表した(https://www.nber.org/cycles/june2020.html)。今回のアメリカの景気の局面判定は通常よりも早く行われたが、NBERはその理由を景気変動の大きさと拡がりによると説明している。
(38)NBER景気日付決定委員会の公表資料による(http://www.nber.org/cycles/recessions_faq.html, https://www.nber.org/cycles/jan2003.html)。
(39)ここでは、コンファレンスボードの景気一致指標と同じ構成系列(就業者数、実質定期給与、生産指数(鉱工業)、小売・卸売・製造業実質売上高の4系列)を合成することで、CB型CIを作成した。
(40)CB型のヒストリカルDIの場合には実質GDPを加えた5系列で算出されているため、実質GDPの動きに左右されやすい。
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