第2章 金融危機と日本経済
今回の世界的な金融危機は、1930年代の世界大恐慌以来とも、「百年に一度」ともいわれ、世界経済に大きなダメージを与えている。一方、これまでも、世界の各地で大小の金融危機は発生しており、危機に見舞われた国やその影響を受けた国がどのように対応したかの経験が存在する。そこで、本章では、過去の金融危機の経験も参照しつつ、「今回の金融危機により、我が国の金融システムはどのような影響を受けたのか」「金融危機の国際的な波及に関して、今回の特徴は何か」「危機後の中期的な日本経済の姿を考えるに当たって、何が重要なポイントか」といった問題を考える。