第2章 持続的な経済成長と労働市場(付注2-1)
付注2-1 労働生産性に係る賃金弾性値の推計について
1.概要
国(25カ国)×業種(82部門)×時系列(50年)のデータを用いた回帰分析によって、国別の労働生産性に係る賃金弾性値を推計し、比較を行う。全業種82部門のうち20部門以下しか業種データが揃っていない国については一国の業種を網羅していないと判断して推計対象から除外している。
2.データ出所
OECD StatのOECD Structural Analysis (STAN) database
3.推計方法
(1)推計式
(2)推計に用いた変数の定義と内容
・cは国。
・iは業種。
・tは暦年。
・Wは時給の前年比。時給は、SNAベースの雇用者報酬を年間労働時間でわって計算。単位は各国通貨ベース。
・LPは労働生産性の前年比。労働生産性は、単位労働時間あたり名目GDPと定義。名目GDPを年間労働時間で割って労働生産性を計算。単位は各国通貨ベース。
・β0,β1,β2はパラメータ。εは誤差項。
(3)推計期間
1970~2019年と2000~2019年。いずれの期間も一部の国で欠損値がある。20世紀後半と21世紀では経済の構造変化が生じている可能性があるため、期間を変えて推計を行い、推計結果の頑健性を確認した。