第3節 世界経済の見通しとリスク
1.経済の見通し(メインシナリオ)-弱い回復が続くが、年後半からやや改善
世界の景気は全体として弱い回復となっている。先行き1については、アメリカでは、雇用情勢の改善を背景とする個人消費の伸びなどにより緩やかな回復が続くと見込まれる。ヨーロッパでは、政府債務危機の影響から当面弱めの動きとなるものの、EUや各加盟国の政策努力による不確実性の低下を前提とすれば圏外向け輸出の増加にも支えられて年後半から持ち直していくものと期待される。中国では、テンポは緩やかなものの各種政策効果等もあって拡大傾向が続き、その他のアジアでは、輸出の改善により次第に持ち直しの動きが確かなものになると見込まれる。世界経済全体としては、弱い景気回復が続くが、年後半からやや改善する姿が想定される。この結果、2012年全体の実質経済成長率は2%台後半から3%の間(市場レートベース)になると見込まれる。
1 各国・地域別の詳細は第2章各節を参照。