第1章 欧州政府債務危機を巡る緊張が続く世界経済
世界経済は、2008年の世界金融危機後から回復を続けてきたものの、11年以降、減速をはじめ、欧州政府債務危機等の影響から依然として緊張が続いている。
本章では、まず第1節において世界経済の現状を概観し、第2節では欧州政府債務危機の世界経済への影響について、金融システムを通じた影響及び貿易を通じた実体経済面への影響の観点から分析する。さらに、第3節ではこうした状況を受けた新興国を含めた世界的な金融緩和の動きについて概観する。最後に、第4節で世界経済の今後の見通しとリスクについて考察する。