20 ブラジル Federative Republic of Brazil |
<2007〜08年の経済>
2007年の経済成長率は5.4%となり、06年の3.8%を大幅に上回った。07年9月までの段階的な政策金利の引下げや雇用環境の改善等に伴い、個人消費が堅調に推移した。また、資源高を背景に資源国である同国に海外からの資金が流入し、民間投資の増加が加速するなど、好調な内需が成長をけん引した。一方、好調な内需とレアル高によって経常収支黒字は大きく縮小し、07年は14.6億ドルとなった(06年136.4億ドル)。
08年はアメリカやユーロ圏の景気減速による影響から、輸出に下押し圧力がかかる可能性はあるものの、引き続き内需は好調であるとみられることから、経済成長率は4%台後半になると見込まれている(中央銀行・OECD・IMF見通し4.8%、民間見通し4.6%)。一方、07年後半から消費者物価が上昇しており(07年9月4.1%、08年5月5.6%)、中央銀行は3年ぶりとなる政策金利の引き上げを08年4月と6月の2度にわたり行った(11.25%から12.25%)。食品価格等の高騰や好調な内需からのインフレ圧力は依然として残っており、今後も利上げが継続されるかが注視される。