第1章 変化するグローバルな資金の流れ |
第4節 サブプライム住宅ローン問題発生後の資金フローの変化
昨夏以降に発生したサブプライム住宅ローン問題は、金融資本市場を取り巻く情勢に大きな影響を与えた。とりわけ、これまで信用創造に大きく寄与してきた証券化やクレジット・デリバティブ等の信用リスク取引について、金融機関や投資家のリスク評価の厳格化やカウンターパーティーリスクの高まりとあいまって、その関連商品の需要後退や価格下落がもたらされ、こうした信用リスク取引に大きく依存してきた金融資本市場における信用収縮懸念を高めることとなった。
以下では、サブプライム住宅ローン問題がグローバルな資金フローにどのような変化をもたらしたのか考察する。