第1章 変化するグローバルな資金の流れ |
第3節 SWFの台頭とその影響
世界の金融資本市場における投資主体として、前節でみたヘッジファンドやPEファンドに加えて、近年、資源国、新興国における外貨の蓄積を背景にソブリン・ウェルス・ファンド(Sovereign Wealth Fund, 以下、「SWF」という。)と呼ばれる政府所有の投資ファンドの存在感が増している。これまでの外貨準備の運用に代わってSWFの活用が進むことで、新興国からアメリカ等の先進国への資金フローにおいて質的な変化をもたらす可能性もある。本節では、SWFの動向と資金フローに与える影響について掘り下げて考察する。