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アメリカ経済のこれまで

2006年の経済>
   2006年のアメリカ経済は、住宅投資の減少等により年半ば以降は緩やかな成長となったが、通年では前年比3.3%と05年とほぼ同程度の成長となった。成長減速の主因となった住宅投資は年間を通じて大きく減少したが、個人消費が比較的良好な雇用・所得環境の中で堅調に増加し、景気全体を下支えした。また、設備投資は増加基調で推移したが、10〜12月期には減少に転じた。生産は年半ばまで増加基調を続けたが、自動車部門等を中心に在庫が積み上がり、生産調整等からおおむね横ばいの動きとなった。雇用は、06年の非農業雇用者数が226.3万人増と05年の増加数をやや下回ったものの、サービス業を中心に引き続き堅調に増加し、失業率もおおむね4%台半ば程度と低い水準で推移した。
   物価動向は、年半ばまで原油価格が過去最高水準を更新する中で、消費者物価、生産者物価ともに総合で4%台という高い水準で推移したが、9月以降は原油価格が下落したことに伴い、上昇率は比較的低い水準となった。一方、エネルギー価格等を除いたコア物価は緩やかな上昇となった。

2007年の経済見通し>
   2007年の経済成長率は2%台となる見込みである(民間機関53社平均2.3%(07年4月)、政府見通し2.7%(07年2月)、議会予算局2.3%(07年1月))。民間機関の見通しは、半年前(2006年10月時点2.6%)と比較して若干低下した。
   下方リスクとしては、住宅市場の調整が長期化した場合における経済全体への波及や、原油価格の再高騰による物価の上昇、雇用・所得環境の悪化による個人消費の減速等により、アメリカ経済が一層減速する可能性等が考えられる。

<財政政策の動向>
   ブッシュ大統領は、2007年2月6日、2008会計年度(07年10月〜08年9月)の予算案をまとめ、議会に提出した。歳出はイラク戦争への対応等のために過去最大の2兆9,019億ドルとなったが、財政収支は法人税、所得税を中心に景気拡大に伴う税収増を反映して、2,442億ドルの赤字(GDP比▲1.8%)と3年連続で赤字幅が縮小すると見込まれている。また、国防、国土安全保障を除く裁量的支出は前年比1.0%増と3年ぶりにプラスとされたものの、物価上昇率見通し(07年:前年比2.1%)は下回る増加率とされている。一方、国防、国土安全保障費は10.7%の増額(5,539億ドル)とされている。ブッシュ大統領は、今回の予算教書において5年後の2012年度までに単年度での財政収支の均衡という新たな財政目標を表明している。

<金融政策の動向>
   FRB(連邦準備制度理事会)は2006年8月に開催されたFOMC(連邦公開市場委員会)において、政策金利であるフェデラル・ファンドレート(FFレート金利)の誘導目標水準を5.25%に維持するとして2年3か月ぶりに据え置くことを決定した。以後、政策金利の据え置きが続いている(07年5月現在)。今後について、FRBは07年3月のFOMC声明において、「委員会の政策運営上の最も重要な関心事項は、引き続き、インフレが期待通りに落ち着かないリスクにある」として物価上昇に対する警戒姿勢は維持しつつも、「将来の政策調整は、今後発表される指標等に基づくインフレ、景気見通しに依存する」としている。


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