第1章 2007年の経済見通し |
4.世界経済の概観
以上の地域別の動向を総合すると、日本にとって関係の深い世界経済全体では、2007年は3.3%程度と前年を下回る成長になると見込まれる(第1-8図)。これは、06年11月に公表した「世界経済の潮流 2006年秋」の時点での見通しと比較すると、アメリカについては2.6%程度から2.3%程度に下方修正されているものの、アジア及びヨーロッパについては上方修正されており、世界経済全体としても3.2%程度から3.3%程度と若干上方修正となっている。また、消費者物価上昇率は07年には2.3%程度と、06年に比べ鈍化するものと見込まれる。
地域別に過去10年間の成長率のすう勢と07年の成長率を比較してみると、成長達成度(07年の成長率/過去10年の平均成長率)はアメリカが0.7程度と鈍化し、北東アジア、ヨーロッパ4では1程度と過去のトレンドに沿った経済成長率を達成すると見込まれる(第1-9図)。
07年の中心シナリオとしては、アメリカ経済が06年を下回る2%台前半の成長となる中で、アジアやヨーロッパは過去の平均的な成長率を実現する姿になると考えられる。