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7  シンガポール    Republic of Singapore

シンガポール経済のこれまで

<2003年の経済>
 2003年の経済成長率は1.1%となり、前年の2.2%から伸びが鈍化した。2003年の動向をみると、年前半はイラク戦争やSARSの影響から4〜6月期実質GDP成長率が前年同期比マイナス3.9%になるなど景気は低迷したが、年後半は、アメリカ向けを始めとするIT需要に支えられディスクドライブ等の電子製品の輸出が増加し、また、欧州向けを中心とした化学・薬品関連製品の輸出も増加した。これらの輸出の増加を受けて生産も増加し、雇用も改善するなど、景気は輸出主導で回復した。

<2004年の経済見通し>
 2004年の経済は、成長率は5%程度になるものと見込まれる(政府見通し3.5〜5.5%(2004年2月時点)、民間機関28社の平均5.3%(2004年4月時点))。民間機関の見通しは、半年前(2003年10月時点4.8%)に比べ上方修正されている。
 成長を支える要因としては、アメリカを始めとするIT需要の拡大に支えられた輸出・生産の増加が見込まれる。また、2003年後半に増加が著しかった生物医学部門についても輸出・生産の増加が続くものと見込まれる。また、輸出・生産の伸びにつれて雇用情勢も改善しており、消費も力強さを取り戻すと考えられる。

シンガポールの主要経済指標

<財政金融政策の動向>
 2004年度予算案における2003年度の財政収支はSARSへの対策のため歳出が増加し、17.6億シンガポール・ドルの赤字が見込まれている。2004年度は、歳出が5.6%増、歳入が10.5%増と歳入が歳出を上回り、赤字幅は縮小するものの、7.5億シンガポール・ドルの財政赤字が見込まれている。2年連続の赤字見込みに対し、政府は財政健全化に向けて取り組むとしており、2005年度までに財政収支均衡を図るという目標を掲げている。
 この予算案では、法人税率を現行の22%から20%に引き下げるなど、企業の競争力強化を目的とした税制を構築している。例えば、起業を奨励するため新規設立会社に対し免税措置を設けることや、海外からの投資を呼び込むためパイオニア企業に対する優遇措置を延長することなどが盛り込まれている。
 金融政策は、緩和基調が続いている。3か月インターバンク・レートは2004年2月末で0.75%となっている。


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