28 英国の住宅ローンは大半が変動金利型であるため、金利変動によって家計の住宅ローン利払い費が変動すれば、結果的に消費支出も影響される可能性がある。HM Treasury (2003)も、同様の理由から英国の消費や住宅価格が金利の影響を受けやすい点を指摘し、仮に03年時点で英国がユーロに加盟した場合は1.25%程度の利下げとなるため、それが消費及び住宅価格の変動に結び付き、経済全体の不安定化をもたらすおそれがあるとしている。一方、ドイツを初めとするユーロ参加国の多くは固定金利型である。そのため、小林(2006)は、英国の金融政策がECBに委ねられると、ECBの金利変更が英国だけに強い効果を及ぼすという、金融政策の効果の非対称性が生じることを指摘している。