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第2章 欧州通貨統合の評価と課題

2010年のギリシャに端を発する欧州政府債務危機は、アイルランド、ポルトガル、スペイン、イタリアといった南欧諸国等まで拡大し、ユーロ圏は1999年の発足以来最大の試練を迎えている。そこで、本章では、欧州における通貨統合の取組を振り返り、改めて検証、評価するとともに、問題の所在を明らかにしたい。具体的には、第1節において、ユーロ導入の所期の目的が現時点で達成されているかを検証する。第2節では、域外の欧州諸国(EU加盟国・非加盟国)がユーロ不参加により得られたメリット、蒙ったデメリットを明らかにし、域外国の視点からユーロの取組を評価する。第3節では、アジアにおける通貨危機とその後の通貨協力の取組及び中国の通貨制度について検証し、ユーロ圏との共通点・相違点を明らかにする。

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