7 ドイツがマルクを手放した背景には、こうした政治的な理由以外に経済的理由として、(1)輸出依存度の高いドイツにとって、域内為替相場の変動は周辺国の景気停滞を招き、ドイツの輸出減少を通じて国内景気に影響を与えることにもなるので、為替変動を排除する方が有益とする考えや、(2)通貨統合を通じてイタリア等における通貨の切下げ政策を回避することや、(3)通貨統合を契機として労働市場等の構造改革を期待する向きもあったとされる。