13 なぜ雇用がこれほど増加しているかに関して明確な結論は得られていない。例えば、Broadbent (2012)は、企業の資金調達コストが金融危機後に増加したままである一方、賃金の伸び率が低いので、企業が資本を労働で代替することを促していると述べている。しかし、その場合は投資が控えられることになるが、投資は近年の生産性低下を十分に説明するほど落ち込んでいないと併せて指摘している。相対的に労働時間の低いパートタイム雇用が拡大したことが労働生産性低下の理由と指摘する向きもあるが、本節で示したのは時間当たり生産性であるため、この見方は該当しない。