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第2章 各国・地域の動向

第1節 ヨーロッパ経済

 ヨーロッパ経済をみると、2008年9月の世界金融危機がもたらした実体経済の悪化に歯止めをかけるために各国政府が打ち出した景気刺激策は、景気を下支えする一定の役割を果たしたものの、各国政府における財政赤字の拡大を余儀なくさせた。特に、財政状況の悪化から抜け出せない一部の国に対しては、財政の持続可能性に対する市場の懸念が高まり、金融不安の火種となっている。

 以下では、まず、ヨーロッパ各国の経済的な位置を概観した後、主要国であるドイツ、フランス、英国や、景気が低迷している南欧諸国等の経済構造等について取り上げる。その後に、焦眉の問題で揺れ動くヨーロッパの財政・金融政策について詳しくみていくこととする。

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