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第1節 世界経済の概観

 世界金融危機後の世界経済は、アジアを中心とした新興国が先進国をけん引し、回復のスピードが二分化するなかで全体として回復を続けてきた。しかし、2011年に入って先進国経済の成長が大きく鈍化すると、新興国においても輸出鈍化や物価上昇、金融引締めに伴う需要減退等によって成長のスピードが鈍化し、世界経済の減速懸念が高まっている。また、欧米先進国の財政不安から金融資本市場が緊迫化し、価格が乱高下する度合い(ボラティリティ)が上昇している。本節では、こうした世界経済の動向とその背景について概観する。

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