19 メキシコ United Mexican States |
<2008〜2009年の経済>
08年のメキシコ経済については、それまで景気を支えてきた個人消費の伸びの低下に加え、メキシコの輸出の8割を占めるアメリカ経済の減速、原油生産の低迷による輸出の伸び低下等の影響を受けて、更に減速傾向が強まり、経済成長率は前年同期比でみて1〜3月期は2.6%、4-6月期は2.7%を記録した後、7〜9月期は1.6%となっている。08年全体では、2%台前半程度の成長となることが見込まれる。消費者物価については、それまでおおむね4%前後の上昇で推移してきたものの、世界的な食糧・エネルギー価格上昇を受けて、年半ばより対前年同期比で5%台に上昇している。メキシコ銀行は6〜8月にかけて3回にわたる利上げを行うなどの引締め政策を採ってきたが、景気減速を受けて9月以降は金利を据え置いている。
09年については、経済面で結び付きの強いアメリカの減速の影響が更に強まり、成長率は鈍化すると見込まれる(政府見通し3.0%、IMF見通し1.8%、民間機関21社の平均0.3%)。消費者物価上昇率については、高騰の原因であった食糧・エネルギー価格の下落や景気減速が見込まれることから、上昇は若干緩和されることが見込まれる。