20 ブラジル Federative Republic of Brazil |
<2008〜2009年の経済>
ブラジル経済は、雇用環境の改善等に伴い個人消費が堅調に推移した。また、資源高を背景に資源国である同国に海外からの資金が流入し、民間投資の増加が加速するなど、好調な内需が成長をけん引してきた。経済成長率は前年同期比で1〜3月期は5.9%、4〜6月期は6.1%となっており、08年全体の成長率は5%台前半と見込まれる。このような景気拡大に加え、世界的な食糧・エネルギー価格高騰の影響もあり、07年後半から消費者物価が上昇したことから、中央銀行は4月より政策金利の引上げを行うなどの引締め政策を採ってきたが、インフレ懸念の一方で金融危機による実体経済の悪化も懸念されることから、10月には政策金利を据え置くとの姿勢に転じた。また、金融危機以降、それまで大幅な流入を続けてきた国外からの資金の対外流出により、国内金融市場の資金の逼迫感が高まるなどの影響もみられた。
2009年については、これまで好調を維持してきた内需についても、世界的な金融危機の影響を受けて、経済成長率は3〜4%台に鈍化すると見込まれる(政府見通し4.5%、IMF見通し3.5%、民間機関22社の平均2.5%)。また、これまでは資源価格の上昇により恩恵を受けてきた輸出の動向についても留意していく必要がある。